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純情ロマンチカ小説
続・anniversary[中篇]7/16
[注]兄チャン視点

 今日、ウサギに突然呼び出された。
 仕事が終わってから会うと、いきなり尋ねられた。
「お前…今日が結婚記念日だって事、忘れているだろう?」

 そして現在。
 真奈美へのプレゼントを買いにウサギの知り合いがいるという花屋へとやって来た。
「それにしても…まさか本当に忘れているとはな」
 ウサギが呆れた声で言う。
「ウサギ、頼むからもう勘弁してくれよ〜」
 そもそも何故、ウサギに説教されねばならないのか
それは美咲が頼んだから。
(美咲…何故ソコでウサギを頼る)
直接言ってくれればいいのに、兄チャン怒ったりしないのにっ『弟に忠告されるより、友人に言われる方が兄チャン的にマシだと思うから』って、そんな事に気を使わなくたって…。
 弟は良い子なんです、よく気の付く…些か気が利きすぎなんですが。

 目的の花屋に着き、ソコでも非難されてしまった。
今日は厄日だ。
真奈美にも怒られてしまうのだろうか
 落ち込みが激しくなるなか、ウサギと店員さん(名前は草間さんだそうだ)が色々話し込んでいる。
「俺でしたらコレを贈ります」
 草間さんが指差す方向には黒赤色の薔薇の花があった。
「その色はちょっと…」
 普通は赤にしないかウサギの知り合いだけあって、この人も感性が少しズレた人なのかな
「花言葉が俺のヒロさんへの思いそのモノなんですズバリ『永遠の愛』
 彼の一言に俺はたじろいだ。確かに好きで結婚したが、しかし、だからって、そんなあからさまな…。
 だがウサギは違った。彼の言葉を吟味した(時間にして1秒足らず)後「買った」と言って、配達の手続きをしに店の奥(店長らしき人の所)へ行ってしまった。

「すまんな孝浩。この花は俺が貰った。お前は他をあたってくれ」
 ウサギの一言を俺は呆然と聞いていたのだった。


あきゅろす。
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