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純情ロマンチカ小説
何とかは忘れた頃にやって来る
 日 

 高橋美咲(19)只今絶賛不幸中
(…何でこんな事になったんだ?)

 今日は出先で大変な目に遭いました。ハッキリ言って、疲れています。
なのに、これから満員電車で帰宅です。うんざりです。
 疲れた時は甘い物で英気を養うもの。手土産に貰ったシュークリームを自棄食いに近い勢いで平らげ、電車に乗りました。
「きょ・う・の・ご飯はピーマン尽し〜
 甘い物と騒動の発生源への意趣返しで、どうにか気分を浮上させるが、その気分も長くは保たなかった──事故がおこったのだ。

 電気系統トラブルだとかで電車が止まって数十分が経過。
 電車の内は人の熱気で蒸し暑い…。
周りの人は、家やバイト先に状況を連絡している。
(俺もウサギさんに報せた方がいいのかな)
 でも、たぶんじきに電車が動くだろうし、だったら連絡して心配かけたくないし…。
 グルグルと考えているうちに、さらに1時間以上経過。
──兄ちゃん。どうしよう…俺、気分悪くなってきた。
 どうやら人酔いしたらしい。もしくはシュークリームで胸焼けをおこしているのか…。
(早く電車から出たいです)


 どのくらい時間が経ったのか……、俺は今、自分との戦いの真っ最中です。
 気分の悪さは最高潮に達し、意識を失わないようにするのがやっと。
(でも、もう限界かも) 俺は、自分の意識が薄れていくのを感じたのだった。


[続]

2009-06-28 up




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