はじまり
ある日のことだった。
きっかけも前触れもない。
ただ、いた。
「・・・、え?」
家に帰ると、武将がいた。
いや、前から不本意ながらいたんだけど、なんか増えてる。
「あ、帰ってきたの?」
「は、はい。・・・あの」
「某、真田源次郎幸村と申しまする!」
猿飛さんに彼らはと聞こうとすると赤い人がそう言った。
さなだ。真田。幸村。
「旦那!そんな簡単に名乗らないの!」
・・・猿飛さんの上司だ。
何度かゲームで見たけれど、子供みたいに無邪気で、明るい性格らしい。猿飛さんが保護者みたいに見える私は果たして目が疲れているだけなのか。
「何故だ?お主を置いて下さっている方ならば挨拶するのが筋というものだろう」
「そうだぜ、忍くん。あっ、俺は前田慶次!こいつは夢吉だ、よろしくな」
「この状況で名乗らねえ方がまずいだろ。俺ァ長曽我部元親だ、よろしく頼むぜ」
「え、あ・・・新です。よ、よろしくお願いいたしま・・・す?」
なにこの人達いい人だ。
真田さまは猿飛さんの主とは思えないぐらいいい人だし、前田さんと長曽我部様も気さくでいい人だ。え、戦国時代にこんな優しい方がいるの?え?
話を聞く所、どうやら三人も私の部屋にトリップしてしまったらしい。で、そこを猿飛さん伊達さま片倉さんが発見、保護したと。と、いうことは・・・
「置いてもらえないか?」
ですよねー。
すまなさそうな三人に、最初の三人が来た時の気持ちは芽生えない。困ってる優しい人達を放っておくなんてできない。
「いいですよ」
私は、頷いた。
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