悪魔な貴方と総長と
佐藤side お風呂@※
佐藤サイド
翠が風呂に行って、数分後。
俺は翠の服と自分の服を風呂場まで持っていく。
風呂場からはシャワーの音がしないから、多分、湯に浸かってるんだ。
風呂場のドアを開けて、翠の反応と様子を見る。
反応が薄い…
うん…効いたみたいだな…。
翠が入ってる湯の入浴剤…
これアルコールとちょっとした媚薬入り…って書いてあったな…
翠の目がとろん、ってなってるのも、俺に警戒心がないのも確認して、俺は翠に聞く。
背中、流そうと思って。
渋るかな〜って思ってたけど、思いの他、すんなりお願いされた。
いいね…そんな、全然警戒されてない顔でお願いされるの…
翠、俺の前で初めてそんな顔見せたんじゃない?
考えたら自然と笑っていた。
翠はそんな俺の顔を見て、首を傾げてる。
可愛いな…って、思った。
自分の頭と体を洗い流す。なんだか嬉しくて鼻歌までしてしまって。
と、視線を感じたので、パッと翠を見てみる。
翠と目が合う。
ずっと俺が頭とか洗うの見てたのかな。とか、俺に背中流されるのちゃんと待ってる、とかそんな、それだけだけど、なんかどこかが温かくなるのを感じた。
嬉しい。
嬉しいな翠…
俺は笑いながら、翠に聞く。
「ん?どうしたの〜?」
そしたら翠は…
「上機嫌だね、あとで俺も夏紀の背中洗ってあげる」
にっこり笑った……
名前も……
アルコールのせいだとは分かるけど、翠の口からそんなことを聞けた…昔みたいに呼んでくれた…。
嬉しい…
嬉しいな…
「じゃあ…お願い〜」
満面の笑みで、俺は翠をお湯から抱き上げる。
「のぼせてない?」
「うん、だいじょぶ…へへっ」
俺に、全然抵抗しない。
俺に素直に抱き上げられてる…
可愛い…翠…
笑いながら、俺の名前をもう一度呼ぶ。
「夏紀」
「なぁに?」
返事、ちょっと震えた。
なんでかな?
俺、嬉しいのに、怖い…わけではないはず…なんで震えるんだ?
「夏紀今日、優しいね?いつもそうなら、いいのに。」
…優しい?
これが優しい?
そしたら翠は逃げないの?
俺にもいつもみたいに、そう笑ってくれる?
「せ、なか…洗ってあげる、ね…」
「やった!」
そう言って、抱き上げていた俺から、離れて後ろを向いた。
ボディソープを手に取って、翠の背中に塗る。
「んー?ボディタオルは使わないの?」
「うん、あれ多分、今使ったら翠痛いかもしれないから。痛いの嫌でしょ?」
「…うん、いや…」
媚薬入りってあったから多分あれは刺激強すぎると思うんだ…
翠、優しいのがいいっていったし…
ボディソープを背中に広げながら、そう考えていた…ら翠の様子が変わった。
「…っ」
息を吸い込むような、そんな感じ。
もしかして、効果が切れたのか…?とかそんなことを思ってたら、
「な、つき…前…」
「ん?」
まだ、名前呼びだから、違った。
なんだろ…前って…
「背中だけじゃなくて、前も洗って?」
「え?だって前は翠自分で洗ったでしょ〜う?」
「…ぅ…」
確かに、湯に浸かってたから体は洗ったはず…
「き、」
と何か翠が言った。
「え?き?」
き?
「夏紀の手、気持ちい、から…」
気持ちいい…
翠、俺とおんなじこと考えてたんだ?
嬉しいな…
今日で何回、お願いされたんだろ…今日はたくさん翠のお願い聞いてあげる…
とっても気分がいい…
「分かった…色んなところ洗ってあげる…」
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