悪魔な貴方と総長と
A
「ん…」
ふに、と唇に感触がする。
閉じている目を、少しだけ開けてしまった。
何となく、だったけど。
―ばちり
うわああああぁ!
ちょっ!?
一条、目が開いてっ!
って思ってたら、一条が離れた。
「何で目開けてんだよ」
と笑いながら頭を撫でてきた。
いや…それはこっちの台詞なんですけど…
「嫌だったか?」
「え?」
何が?と聞こうとしたけど、一条が指で唇に触れてきた。
瞬間、一条とキスしたんだ、と実感して顔が赤くなってしまった。
うぅ…なんて恥ずかしい!
でも、
「…いやじゃなかったよ…」
うん。そう思ってしまったんだよね…。
「そうか…」
俺の答えに、また、ふっ、と笑った一条。
か、カッコイイなおい。
「三谷、も一回していいか?」
え?キスですか?
とか、考えてる途中のはずなのに、俺は、こくり、と頷いていた。
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