悪魔な貴方と総長と B 『明日、お昼迎えに行くからねー』 そう、帰りに言われた。 あれから、様付けを強制させられ、日が暮れるまで、佐藤のあぐらをかいた足の間に座らされ、ずっと奴の武勇伝を聞かされ続けた。 そして、家まで送られた。 どうして、家知ってんの?とか、思ったけど、聞けるわけなんかなく。 不本意ながらのお礼をいい、家の門を開けようとした。 手を捕まれて、佐藤の方を向かされた。 見上げた佐藤の顔は、笑っていて…。 『お別れのキス、は?』 お前は、オモチャなんだから、やるよね?と、腰に回した手の力を強くしながら。 俺は、もちろん、逆らえなくて…。 『…は、い…夏紀、様…』 と、震えながら、そう答える。 そして、どこにですか?と聞いた。 『唇。』 恐怖だけではない体の震えを我慢しながら、唇を合わせる。 あまり、待たせると叩かれる、ということを、覚えさせられたから。 『ん。いい子。』 本の少しだけ触れて直ぐ様、離れた。 口元を隠す振りをして、手の甲で拭き取ろうとしたら、佐藤と目が合った。 「翠…、手退けろ。」 考えがバレてたようで、手を下ろさせた。 そして、こういった。 『唇、舐めろ。』 最悪だ…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |