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悪魔な貴方と総長と
見られたくない跡(モノ)


「お、美味しかった…っ!!」


「そうか」



夕飯を食べながら話そうとして、お箸で一口、綺麗に盛り付けられた品を食べる。


「うを…っ」

「?」


思わず声を出してしまった俺に不思議そうに一条にみられたが、気にしない。


俺のおててとお口は、食べることを辞められなくなった。

それに笑いながらも、一条は話さずに自分も食べながら完食するまで待ってくれた。




「…雑炊とか、超美味しかった!」


「そうか」



またもや、独り言のように話す俺の言葉に返してくれる一条。


ですけどね、俺は不思議に思いましたよ、一条さん。

「一条、なぜ、浴衣」

「…カタコト?」


さっきも思ったが何故浴衣。


「…露天風呂あるぞ、部屋の外に」

「え?!」


ってか、有り得ない!
いいの?いいの?
高校生ですけど、お部屋に露天風呂つきの部屋に泊まっていいの?


「飯の次は風呂だ。いくぞ」

「へ?」


ちょっとまだ整理がついてない俺に、混乱するようなことをいってきた一条。


「…どこで着替えてはいるの?」


「心配すんな、教えてやる」


ぐい、っと座っていたのを立たせられ、ほれほれ、とベランダらしい場所に連れていかれる。



そこには温かそうな温泉チャプン。


「…!!」

「ガードすんなよ、脱げねぇだろ?」


露天風呂の凄さにぼーっとしてたら、俺の服を脱がしにかかる一条の手が脇腹に触れて、瞬時に手ブロック!!!!


「自分でやるよ、ここで脱ぐんだよね、あ、ありがとう、後は自分でやるよ俺」

さりげなくガードしつつ距離を取ろうとした。


「駄目だ、俺がやる」


「っ…」


もちろん後ろに一条がたっているので、耳元で言われて鳥肌が立つ。
悪い意味ではないやつの。

「一条、は休んでてよ、ね?」


「三谷が寝てるとき休んだからいい」

「いや、違くて…」


ど、どうした一条。

引いてくれよ。


「…一緒にはいりたい」



思わず、目の前のベランダ柵から飛び出したかった。

「恥ずかしいとか男同士だしダチだから平気だろ?三谷」


心臓バクバク、顔は多分真っ赤だろう俺に更なる追い討ち攻撃。

「わ、わかったから、自分で…」

「俺が楽しいから、脱がす」


って!!!!



「脱がすの唐突過ぎる!!下からってなに?!」


脱がす発言一秒後、まさかのノーブロック、下から脱がされた。


かろうじて下着はまだ身に付けてるぜ!


「三谷、観念しろ。ただ大人しくしてたら全部終わるから」


「…っ!」



ちょっとだけ体が震えた。最近、言われ過ぎた言葉はこんなにも俺を侵食してたのか。


「わか、…た」


頭の中ではただ恥ずかしいだけだけど、体は小刻みに震えてしまってる。

一条にバレませんように祈りながら、固く瞼を閉じる。

服、脱いだら結局は違うものがバレそうだけど…。

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