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悪魔な貴方と総長と
クラスメートと学校と


「おはよう」


「…三谷君、大丈夫?」

「おー…」


久しぶりのクラスに入ると、みんなが俺に声を掛けてくれた。


「お…はよう…」



おずおず言うと、みんながもっと集まってきて、自分の席につけなくなってしまった…。


「よぅ、三谷!昨日ぶり!」


そう後ろから聞こえて振り向くと、白石が立っていた。


「はいはい、みんな席着けよ!先生もう少しで来るぞー」



白石がそう言うと、みんなブーイング…

でも、それも本当に後ろから来た先生によって止められたけど…。


…でも先生、来るの早くない?


みんな、席に着いていく。
だから俺もやっと席に座れる、と足を進め様としたら


「三谷」


名前を呼ばれて白石を見る。


「なに?」


「今日、佐藤、来てる?」


なんで、そんなこと聞くの?

って多分顔に出てたんだと思う。


白石は、少しだけため息ついて、先生に目線を送って…また俺をみた…。


「怖い思いはさせねぇから」


何それ。



「三谷」


再度名前を呼ばれる。

ぎゅっ、と手を掴む感触がして、自分の手をみると、白石が握ってた。


白石が手、握るのもわかんないくらい、みてたのか。


「三谷、このままでいいのかよ」


クラスメイトがいう。


「そうだよ、三谷君…」


いつの間にか、クラス全員が俺のことみてた。


「ど、いうこ…」


「学校全体で、お前のこと助けようとしてんの」





どういうこと…?


もっと意味わかんない…


「アイツから逃してやる…って言ってるんだ」




そんな…






そんな、こと…





「出来る、わけ…ない」



声が震える。




「無理…そんなことしたら…また俺、っ!!」



佐藤にされたことが、フラッシュバックする。

体が震えだすのもわかる。

「な、んでそんな、俺…」

誰も、あいつに…俺に何もしないでくれ。

また、あいつに、…!!!





「三谷!」

「っ!」




頬を両方掴まれて、目線を合わせられた。


「落ち着け…大丈夫だ」

「白…石…」



「お前には、あんなにおっかない奴に立ち向かうクラスメイトやアイツより強い奴がついてる」



クラスメイト、と聞いて、目線をそこに向けられる。一人一人が、うんうん、と頭を縦に振っている。



クラス奴ら全員で、俺のこと守ってくれたっけ…そういえば…

女の子も殴られて…


「…聞きたいことも、言いたいこともたくさんある、と思うけど…三谷、今は…」



一ヶ月内のことなのに、色んなことがあった、とか思いだしてたら、現実に戻された。



「一つだけだ」



一つ…



「このままの現状が嫌なら、…俺たちは動ける、この意味わかるな?」


白石がにやり、と笑って手を差し出してきた。





「俺、最近、選択肢だらけだな…」


そう言って、思わず、笑ってしまった。

笑った際に、目から涙が出たのは、誰もツッコまなかったけど。














「…このままは嫌だ。俺を助けてください」



そういって、白石の手を握った。

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