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〜龍と刀〜
修復作業
全ての魔物が片付いたのは完全に日が落ちた頃、大体夜の七時くらいだろうか。
戦い疲れた者たちが思い思いに休憩をしていた。

「おい、貴様ら!休んでる暇は無いんだぞ?今から協会の奴がこっちに来る。何しに来るか、そこの貴様、答えろ!」

木刀の先で示されたのは白髪混じりの男性だ。明らかに十六夜より年上な訳だが。
指名された男性はのっそりと立ち上がっつ答えた。

「はい……えぇ〜街の修復、ですか師匠?」

「その通りだ!貴様らが休めるのは後数分。まあ、月華は別だが……それ以外は協会の人間が来たら速やかに動け!剣凰のガキは休むな!」

「お、お父さん!あんまり陽ちゃんいじめないでよっ」

月華−−月詠は眠いと言って月華の意識と交換したため元通り−−との扱いが全く違う陽。いつもと同じ対応のため、陽としては気にしていない。慣れとは怖い物である。

「まあまあ龍神、そう落ち込むなって〜」

「そうよ。いつもの事じゃない」

「誰が落ち込むかよ。慣れましたから大丈夫ですよー」

「うわっ今のなんかムカつく〜龍神の敬語が〜」

三人は集まって他愛もない会話を続けた。陽の傷もある程度ではあるが治してもらったため、ふざけて話すぐらいの元気はある。
そんな和やかな雰囲気には異質の白装束の人々が続々と到着していた。それに最初に気付いたのはもちろんながら十六夜である。

「数分も無かったがまあいい。さあ貴様ら休憩は終わりだ」

「どうも『金鳳流』頭首様……と『剣凰流』頭首代理様」

付け加えたように呼ばれたが、地べたに座り込んで仲良さそうに話をしていればただの弟子にしか見えない。だから気にしていない。
それに、この男性も正確に陽の事を知っている訳では無いだろう。陽の手にしている白銀を見てそう判断をしたのか。
だが今大事なのはそんな小さな事ではない。陽が呼ばれた事が大事なのだ。

「……俺も何か手伝った方が良いんですか?」

「ああ、いえ、そういう意味ではなくてですね。お会いする機会があったらぜひお伝えしたい事が−−」

何やら後ろの方から妙な殺気が向けられているような気がしたが、相手は男なのだから気のせいだと割り切り、男性の言葉に耳を傾けた。

「俺に?」

「はい。今度、いつでも良いので剣の手合わせをお願いしたいと思いまして……お願い出来ますか?」

そう言われても、陽に断る理由はなく、むしろ断る方が失礼なのではないかと思う。そのため陽は二つ返事で快諾。

「ああ、別に大丈夫ですよ」

「本当ですか!?ありがとうございます!これで今からの修復作業に没頭出来ますよ!」

何やら元気になった男性は、他の白装束の仲間たちへと号令を飛ばす。無駄に大きな声で。

「全員に告ぐ!これより修復作業に入る!各自、全力で修復に向かえ!以上!」

それを聞き入れた仲間たちは風のように散り、作業を開始する。

「おい、貴様らも手伝えよ?もしもサボってる奴を見付けたら……」

「「「わかっています!師匠!」」」

こちらも威勢の良い声で散っていく。

「じゃあボクらも行きますか〜」

「仕方ないわね……」

「あの、私は?」

「月華はここで待ってれば良いんじゃないか?俺たちだけでも大丈夫そうだし」

こうして月華を除いた三人も作業へと参加を開始。

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あきゅろす。
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