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〜龍と刀〜
後夜祭!X
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『これより、後夜祭を開催します。皆さん今日はお疲れ様でした』

校長が放送を使ってそう宣言すると、学校の中が文化祭時と同様に騒がしくなる。

『それと、今は夜ですから近隣住民の方々にはくれぐれも−−』

聞いてる生徒なんてほとんどいなかった。それぞれが自由に騒いでいるのだ。

「始まったね。龍神はどうする?」

「当然俺らと動くんだよな!」

動き出した生徒たちを教室から眺めていた陽、井上、中島。井上は動きたくて仕方がないようだ。

「いや、悪いが……先約が、な」

「あーそうだよねー。せっかくコクられてんのにわざわざ男と後夜祭で遊ぶ訳ないよね」

「なあ中島?そんなに妬んでんのか?理由は何だよ?」

この話題になってしまうと中島の態度が急変。いつもの中島はどこに行ってしまったのだろう。

「答えないならメガネ割るぞ」

「やめて龍神、そんな事をしたら中島が中島じゃなくな−−」

「ついでに井上を消すぞ」

「えぇ!?俺関係なくね?ついでって言ったのに、俺からやる気満々だよこの人!」

ギャーギャーと騒ぎ立てる井上は無視しておく。構ってやると、余計にうるささが倍増してしまうから。

「はぁ……コクられた事に関しては事実だがな、俺はまだ答えを出してないんだよ」

「あ、そうなの?なら早く言ってよね。リア充反対同盟の掟を実行するところだったじゃないか。あははは」

「……」

元通り。中島のメガネから曇りが消え、今の空のようにすっきりしている。輝いていると言っても良いほどに。

「それでさ中島?その同盟の掟って何?もしかして裏生徒会(略)みたいなの?」

ついに非公式、という部分を省略したのだが、そもそも括弧を付ける必要があるのだろうかという疑問に当たった。話をややこしくするのも面倒なので口にはしなかったが。

「友達、知り合いに恋仲の人間が出来た場合にのみ発動可能。それを同士に連絡し、そいつの恋愛を可能な限り邪魔をするという非公式の同好会さ」

「ほぉーそんなのがあるんだな!」

メガネのブリッジを上げる動作をするが、言ってる事が最低なのでどう反応するべきか悩む。
井上は勝手に感心している。

「この学校、本当に大丈夫なのかよ……そんな危険なのを野放しにしておくなんて」

「だから言ったろ?非公式、ってさ」

「まあ、そうだな。だけど一つ気になったんだが、お前らはどうやってその存在を知った?裏生徒会にしろ、同好会にしろ」

井上と中島が顔を見合わせる。どちらが先に言うかを話し合っているみたいだが、何を相談する必要があるのだろうか。

「俺は、御門先輩から。面白い情報があるけど、聞く〜?って。金取られたけど」

「あ、僕もだね。購買のパン一個で教えてくれたよ」

「先輩か……!何やってんだあの人は!」

全ての元凶は幸輔という事が決定した瞬間だ。

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あきゅろす。
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