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旋光の輪舞<会話形式>
【本郷・ツィーラン・ハルモニア】それいけ! 忍者同好会


ツィーラン
「姉さ〜ん、見て見て〜♪」
チャンポ
「ちょっとチー坊、何て恰好してんのよ? 本郷まで一緒になって? 二人して忍者ごっこ?」
本郷
「どうだい、かっこいいだろう?」
ツィーラン
「忍者同好会のユニフォームなんだ、これ」
チャンポ
「はぁ? 忍者同好会?」
ツィーラン
「うん、本郷さんが作ったんだ♪ 本郷さんが会長で、僕が会員第一号♪」
本郷
「世を忍び、世の為人の為に戦う、正義のヒーロー……忍者。その素晴らしさを、より多くの人達に広める同好会だ」
ツィーラン
「良かったら、姉さんも入らない?」
本郷
「今なら入会特典として、僕達が着ているこのエクセレントな忍装束をプレゼントしよう!」
チャンポ
「ばっかばかしい! そんなヘンテコな同好会、誰も入んないわよ」
ツィーラン
「え〜っ、そんな事ないよ。ひどいよ、姉さんっ」
チャンポ
「だいたい社内サークル設立するのって、最低でも5人はメンバーが必要なんでしょ? アンタ達、2人しかいないじゃない」
本郷
「ノープロブレム! この同好会はG.S.O.だけに留まらない、グローバルな同好会だ。所属組織は関係ない。忍者を、ヒーローを愛する人ならば、誰でも入会できるのさ☆」
ツィーラン
「えへへ、そういう事だよ☆」
チャンポ
「な〜に二人して、キラッ☆ ってしてんのよ」


チャンポ
(二人して楽しそう…。なんかムカつく〜!)


チャンポ
「はいはい、わかったから、さっさとどっかの誰か勧誘してくれば? どーせ誘ったって、入るかどうかわかんないけど」
本郷
「ふふふ、心配は無用。実はこれから、二人で勧誘に行くところだよ。相手は、なかなか見所のある少年だ。きっと入会してくれるだろう」
チャンポ
「ふ〜ん……」
ツィーラン
「それじゃ姉さん、行ってきま〜す!」
本郷
「さらばだ……、とうっ!」
ツィーラン
「とうっ!」


(本郷とツィーラン、ドアから出ていく)


チャンポ
「……何よ〜」



◆◇◆◇◆




(ハルモニア第一偵察隊陣営。一同ミーティングルームに集まって、報告書作成の真っ最中)

ミーツェ
「アンリさん、お茶をどうぞ」
アンリ
「ああ。ありがとう、ミーツェ」
ミーツェ
「はい、レーフさんも」
レーフ
「サンキュ、ミーツェ!」
ケイティ
「ユルシュルさん眠っちゃダメ〜! 頑張って報告書書いてくださいっ」
ユルシュル
「あ〜ん、デスクワーク苦手なの〜ん♪」
ジャイルズ
「全くお前は……」


 ピンポーン…


ケイティ
「あ、誰か来た。は〜い…」
本郷
「失礼するよ!」
ツィーラン
「おっじゃまっしま〜す!」
レーフ
「わっ、なんだなんだっ?」
アンリ
「押し売りなら結構です!」
本郷
「失礼な子だな、君は。僕達のどこが押し売りに見えるんだい?」
ジャイルズ
「押し売りはともかく、どっからどう見ても妖しいぞ、お二人さん。何で忍者の恰好なんてしてるんだ?」
ミーツェ
「どうぞ、お茶です。寒い中お疲れ様です」
本郷
「これはありがとう、お嬢さん」
ツィーラン
「わ〜い、ありがとうございま〜す!」
アンリ
「ミーツェ……」
ケイティ
「ところで、G.S.O.の方が何の用ですか?」
ツィーラン
「実は僕達、勧誘に来たんです」
アンリ
「宗教の勧誘なら結構です」
本郷
「本当に失礼な子だな、君は。まあいい。そもそも君ではなく、僕達はレーフ君に用があるんだ」
ユルシュル
「あらん、レーフ君に?」
レーフ
「えっ、俺っ?」
ツィーラン
「はい。僕達は、忍者同好会の勧誘に来たんです」
レーフ
「忍者同好会?」
本郷
「そう、世の為人の為に戦う忍者。この正義のヒーローをより多くの人に知ってもらう為の、同好会だ」
レーフ
「へ〜。何かかっこいいなぁ、忍者って!」
ツィーラン
「でしょ? 当同好会は主な活動として、『LAST NINJA』のDVD鑑賞会や、決めポーズ・決めゼリフ・必殺技の研究、町内でのボランティア活動、お花見、いも掘り遠足、雪合戦などなど、色々と計画していま〜す♪」
ミーツェ
「盛り沢山ですね……」
ユルシュル
「必殺技じゃなくて、忍術の研究をしろよ。ほとんどのイベント、忍者と関係ないやん……」
レーフ
「ずっげぇ楽しそ〜!!」
本郷
「だろう? レーフ君、君には是非入会してもらいたい。入ってくれるね?」
レーフ
「はいっ、喜んで!」
アンリ
「ちょっと待ってください! 何でレーフを誘うんですかっ? レーフ、お前も二つ返事で入会するな!」
本郷
「フフフ……、それはだね」
ジャイルズ
「それは?」


本郷
「彼のヴァッツマール、その足が水蜘蛛の術の『あれ』にそっくりだからだ!!!」


ユルシュル
「………………………………」
ジャイルズ
「………………………………」
ケイティ
「………………………………」
ミーツェ
「………………………………」
アンリ
「…………それだけですか?」
ツィーラン
「はい、そうです☆」
ユルシュル
「そんだけかよっ」
本郷
「十分過ぎる理由じゃないか」
アンリ
「どこがですかっ!?」
レーフ
「すっげぇ! 水の上でも戦えるなんて、ヴァッツマールは無敵だぜ!!」
本郷
「ハハハ、そうだろう」
ジャイルズ
「いやレーフ、それ無いから。普通に考えて無いから」
レーフ
「本郷さん、ツィーランさん。俺、忍者同好会に入ります!」
本郷
「ありがとう、レーフ君。君ならそう言ってくれると信じていたよ」
ツィーラン
「これ、入会記念の忍装束だよ。レーフさんは黄色がいいかな?」
レーフ
「わぁっ! こんなカッコイイ服ももらえるなんて、忍者同好会っていいな〜! みんなも一緒に入ろうぜ♪」
アンリ
「入るかぁっ! そもそもレーフ、うちには会費を払うお金なんかないんだぞ!」
ツィーラン
「それなら大丈夫です。当面は会費をもらわない方針ですから」
ケイティ
「タダなら、ちょっといいかも……」
ミーツェ
「ケイティさんっ!?」
ケイティ
「あはは、冗談冗談」
アンリ
「とにかく、入会なんて絶対に許さないからな! そんな訳のわからない同好会、入るだけ時間の無駄だ!」
本郷
「どこまでも失礼な子だな、君は。第一、これはレーフ君が決める事だ。君は黙っていてもらおうか?」
アンリ
「そっちこそ、うちのレーフをたぶらかさないでください!」
ユルシュル
「お父さん、あんまり怒ると血圧上がるわよん♪」
アンリ
「誰がお父さんですかっ!!」
ユルシュル
「だって頑固親父みたいなんですもの♪」
アンリ
「茶化してる暇があったら、レーフを止めてください!」
ユルシュル
「レーフ君の暴走を止められるのは、我らがリーダーだけよ♪ がんばれー♪」
アンリ
「そんなおだてたって無駄です! みんなも見てないで、一緒にレーフを止めてくれ!」
ミーツェ
「は、はいっ。え〜と……レーフさん、もう少し考えてから決めてもいいと思いますよ。アンリさんも反対していますし」
ジャイルズ
「やる気があるのは結構だが、あんまりアンリを困らせるんじゃないぞ。ただでさえ気真面目で苦労してるんだから」
ケイティ
「……そうだ! レーフ、諦めないと晩ご飯抜きにしちゃうぞ♪」
レーフ
「えぇっ、ご飯抜きっ!? そんなの無いよ、ケイティ〜!」
アンリ
「いいぞケイティ、その調子だ。レーフ、それが嫌なら諦めろ」
レーフ
「嫌だっ!」
アンリ
「レーフ!」
レーフ
「アンリのわからず屋! 何でいつも、俺の言う事に反対するんだよっ?」
アンリ
「そんなの……心配だからに決まってるだろっ!! 心配して、何が悪いって言うんだぁっ!?」



本郷
「……わかった、今日のところは失礼しよう」
ツィーラン
「本郷さん?」
本郷
「ご家族の理解を得ないで入会しては、本人も辛くなるだけだからな」
レーフ
「家族っ? 家族って…………へへっ、なんか照れ臭いな」
ユルシュル
「ウフッ、照れちゃって♪」
ケイティ
「照れる事はないよ、レーフ。私たちは家族みたいなものだもんね♪」
本郷
「レーフ君、みんなの了解を得たら、その時はその忍装束を着て僕達のところに来てくれ」
ツィーラン
「僕達は、ずっと待っているから」
レーフ
「本郷さん……、ツィーランさん……」
本郷
「また会う時まで、しばしの別れ。正義の熱き魂を胸に、たゆまず励むのだ!!
さらばだ! とうっ!」
ツィーラン
「じゃあね〜。とうっ!」


(本郷とツィーラン、ドアから出ていく)


ツィーラン
「お邪魔しました〜」
ミーツェ
「またいらしてください」
アンリ
「二度と来るなぁ〜〜っ!! ケイティっ、塩だっ、塩ッ! 玄関に塩まくぞ!」
ケイティ
「お兄ちゃん、お塩がもったいないよ。最近また値上がりしたんだから〜」
レーフ
「よ〜しっ、明日からこれを着て頑張るぞっ!!」
アンリ
「頑張るなぁっ!!」
ユルシュル
「お父さん、あんまり怒ると血圧が〜♪」
アンリ
「誰がお父さんですかぁ〜〜っ!!!!」

終われ(汗)

【あとがき】
久々の更新が、こんな内容でごめんなさいm(_ _;)m
お察しの通り、最後は強引に締めてます。
オチがつかなくて、長い間放置していました(苦笑)

以前日記でチラッと書きましたが、本郷さんはヴァッツマールを見て、
「水蜘蛛の術みたいだ!」
って絶賛しそうな気がします。
それで、だったらそれをネタに何か書いて見ようかと思ってウダウダ書き続けた次第です。
う〜ん、もっと欲しいな、ギャグセンスorz

とりあえずサブタイトルは、『アンリ君は心配症』でしょうか?(笑)
レーフを使う時、大抵アンリをパートナーに選んでいるのですが、その時のアンリの台詞を聞いていると、レーフの保護者に思えて仕方ありません(笑)


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