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オリジナル
ラプンツェルと俺【恋愛もの・会話文】
診断メーカーの「縛りSSったー」のお題より。

『「CD」「遠距離恋愛」「ラプンツェル」に関わる、「会話文のみ」のSSを
10ツイート以内で書きなさい。』






『CD届いたよ。送ってくれてありがとう♪』

「どういたしまして。…って、もう届いたのか?」

『うん、お母さんが今朝持ってきてくれた』

「そうだったのか。もう聴いたか?」

『さっき聴いてたけど、どれもいい曲だったよ♪ ホント、君のオススメはハズレないよね』

「おいおい、褒めるなよ。何も出ないぞ」

『あ〜、家のオーディオで聴けたらいいのに。こんな小さいイヤホンじゃなくてさ〜』

「仕方ないだろう、そこ病院なんだし。相部屋なんだろ?」

『わかってる〜、言っただけです〜』

「こ〜ら、拗ねるな」

『う〜早く退院したい〜! なんかラプンツェルになった気分』

「え、ラプンツェルって病人の話だっけ?」

『違うよ、たとえ話。私の病室、6階にあるから、ムダに眺めがいいの。それに自由に外出できないから、高い所に閉じ込められてる気分になるんだよね』

「あぁ、だからラプンツェルか」

『そういうこと。う〜、早く退院したいよ〜』

「――手術、明後日だろ。それが終われば退院できるから、もう少し頑張れ」

『……うん』

「手術、付き添えなくてごめんな」

『何それ? や〜だっ、気にしないでよ、簡単な手術なんだから』

「本当に大丈夫か?」

『大丈夫だって。付き添いなんていらないよ〜』

「いや俺、見舞いにも行ってないし、その、何て言うか…」

『仕方ないよ、そっちは北海道なんだから。仕事忙しいんでしょ。だったら無理しないでいいから、そっちはそっちでがんばってよ』

「……わかった、ごめんな」

『もういいって。退院したらCD返しに行くから、だから楽しみにしててよ』

「わかった。……ありがとう」

『えへへ、どういたしまして♪』

「そう言えばお前、談話室にいるんだっけ? そろそろ消灯時間か?」

『う〜ん……、まだ大丈夫。今、忙しい?』

「いや……あと10分くらいは大丈夫」

『だったら、もう少し話しててもいい?』

「いいよ、話そう。もっと声聞きたいし」

『ありがとう♪ あのね〜…』




それから1か月後。
すっかり元気になったラプンツェルは自力で地上に下り、約束通り、俺の元にCDを返しに来た。


おわり

【あとがき】

診断メーカーの「縛りSSったー」で出たお題で書いたものです。
書いたのが1月なので、随分放置してましたね(笑)
お題がお題だったので、そのまんま遠距離恋愛をしている男女の話になりました。
最後だけ会話文になってないのは、このまま終わらせると死にネタと勘違いされそうなのと、会いに行くシーンまで書くと蛇足すぎるかな〜と思いまして。
20歳前後の仲の良いカップルをイメージして書きましたが、らぶらぶな会話って難しいですね。女の子の台詞に関しては、実は心細くて甘えたい気持ちを出そうとしましたが クセをつけすぎたかな。反省。
(2013.03.31)


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