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暗く陰鬱な雨が降る(瀬戸内)



ばたばたと雨が降る。


その雫が冷たいのかどうか、判断はつかなかった。











「元就っ!」

背後から強い語調で名を呼ばれる。
その人物が誰か、見なくとも分かりきっている。
振り返るのは億劫だ。

無視を決め込み、そのままでいると背後から掻き抱かれた。

触れる箇所が、熱い。

「風邪を引く怪我に障る中に入れよ」

一息で要件を告げられる。
それでも言葉は返さない。



真新しい包帯の下の傷が、雨に打たれじんじんと疼いていた。

「……血ィ、出てる」

ひとつしかない瞳が細められたのが、気配で感じられた。

「…我の血は、冷たい…そうだ」

其処で漸く言葉を返す。
抱き締める腕が少しだけ強張った。

「……雨と、どちらが冷たいのか、知ろうと思った」

あの男は言った。
自分たちは同類であると。

「我、は……」

あれ程狂人であるのか、そう見えるのか。
心を許した、この男にさえも。

……本当は、一人ぼっちなのだ。




「…馬鹿野郎……っ」


抱き締める腕に力が篭る。
熱い。
火傷してしまいそうだ。


雨に打たれた傷口が、熱を持ってきた。

熱い痛い熱い。
イタイ。







雨ではない何かに濡れる頬。
何故こんなにも冷たいのだろう











時期的に、山崎布陣戦の直後?
でも其処でアニキと一緒は変だよなー

パロ?

うーん





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