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Hello, Say Good Bye
耳障りな音色







バターン!と大きな音を立ったから驚いた。

「梓!」

副会長の声が聞こえる。

「あー!お前らここにいたんだな!俺を放ってどこに行ったのかと思ってたんだ!
それに、斎の友達かっ!?名前教えろよ」

「ここは、一般生徒の立ち入りは遠慮しているんです。
というよりも、禁止なんですよ。柚木くん」

相川くんが丁寧に彼へと告げる。

「ほ、ほら、柚木くん!戻ろう…!」

「なんでだよ!晃は黙ってろって!そんなに俺が他の奴と仲良くするのが嫌なのか?」

「…そ、そうじゃないけど!」

「あれ?愁汰か?なあ、愁汰だろ!」

「お前みたいなやつは知らない」

冷たい声だった。まるで、自分が言われてるみたいで錯覚する
足音が近づいてきて、愁汰の横に転校生だと思われるものと鈴木くんの足が近づく。
知り合いなんだ。初めて知った。

「…会長、梓とどういう関係ですか?」

「…言っておくが、ただの親戚だ。それ以上でもそれ以下でもない」

物音出したらさすがにバレるよね。
でも、興味本位で覗いたら鈴木くんと思わしき方とばっちり目が合った。
黙っててと口パクで言うと、伝わったらしい片手で丸を作ってくれた。いい子でよかった。
でも、鈴木晃くんってどこかで聞いたことがあるんだよね。

「…ん?晃、何見てるんだ?」

「なんでもないよ!綺麗な机だなぁって」

一際大きな靴が俺を隠すみたいに机と転校生の間へ入った。

「梓、俺は聡。羽賀聡。…よろしくね?」

幾分か優しい声色で話しかけてる。

「おう!よろしくな!そんなに無口だと友達いないだろ?
俺が友達になってやるからな」

「…ありがとう」

ずけずけと物を言っている。怖いなぁ。
今度は遠のいていったみたいで、実の声が聞こえた。

「梓ちゃん、俺には興味なーい?てか、もっさいねぇ」

「梓、あいつに近づくのは止めなさい」

「斎!そういう事言っちゃだめなんだぞ!かっこいいな!けど、見た目で判断するのは最低だ!!!ていうか、名前教えろよ!」

「実だよー。宗田実。よろしくー梓ちゃん。晃くんもよろしくねー」

「なっ、男にちゃん付けっておかしいだろ!よ、よろしくな!」

「梓に触らないでください。穢れます」

「ふくかいちょ、ひっでぇー。セフレがそんなに駄目なわけー?
ふくかいちょが相手してくれんの?」

実の笑い声が聞こえる。

「なっ!?」

「セフレ!?俺はそういうのに偏見はないけど、そういうのは駄目だ!
だから、友達がいないんだ!あ、広もいたんだな!」

「うはは、お堅いねぇ。梓ちゃん」

政先輩の声は聞こえないから、まだ仮眠室だろう。
…ばたばたと歩き回って、机の前で足を止められた。

隠れてたのに、ばっちりと目が合った。

「お前、なんでそんなところにいるんだ!?恥ずかしがって出てこないのか!?
そうか!別に怖くなんかないぞ!俺は梓っていうんだ」

腕を無理やり引っ張られ、立たされる。
腕を掴む手が痛い。それに、全身に嫌な感じが広がる。

「へー…。離してくれないかな…?」

「照れ屋なんだな!俺が名乗ったんだし名前教えろよ!」

目前の小さい子が煩わしい。
余所行き笑顔が稼働中。だけど、持ちそうにない。
無意味に笑顔でいたせいだろうか、「お、お前かっこいいな」って赤面された。
顔は普通だ。可愛いと言ってもここになら何人でもいる。
むしろ、前髪で隠れてるけど隣の晃くんの方が整ってると思う。

「梓、食堂に行きましょう。他の役員も行きますし。ね?
そいつの名前は、安藤雅ですよ」

「雅っていうのか!俺が友達になってやるから安心しろよ!
…そうだな!俺、腹減ったんだ!」

副会長の方を見ると睨まれた。
こわーい。嫉妬とかほんと、受け付けない。

で、ようやく手が離された。やっと解放されて力が抜けそうになる。ヤな予感は大的中ー。
聡はこちらを一度振り向いて、少し眉を下げながらも出て行った彼らに着いて行った。
実も嬉々として出て行き、「梓ちゃーん」とか言ってた。
相川くんと田淵くんは放置された鈴木くんへ声を掛けて一礼し出て行った。

「赤くなってるな。あいつは、従弟だ。べつになんでもない」

「従弟だったんだねー」

「ああ。けど、幼いころに一度会ったキリのな。
俺の親父の弟の子供で、あいつの父親はこの学園の理事だからな」

「そっかー。てかねー、俺ってそんなに変人ー?」

「いや、全然?」

手首を掴まれて、赤くなった場所にキスが降る。
だんだんとエスカレートしてきて、首筋に唇が近づく前に静止した。

だって、政先輩いるし。
こっちを見てる。

「悪い、邪魔したな。というか、あの煩い生物はなんだったんだ?」

「例の転校生ー。みんなで仲良く食堂にご飯食べに行ってまーす」

「大荒れなんじゃねぇか?食堂」

「その可能性忘れてたー!あー、器物破損とかがあったら前委員長に殺されちゃそー…。…先輩、急行します?」

「前委員長からお怒りメールだ。あの人本当に大学生だよな?」

「なんて、書いてあるんですか?」

俺が聞く前に愁汰が聞いた。

「『即刻、あの猿を追い出せ』」

声真似しながら述べられた言葉に吹き出した。
本当にその場にいたら彼が動き出して殲滅してしまいそうだ。

稲葉先生からもメールが届いた。
『風紀、働け』ってそっけなさすぎ。





「蓮弥さんにも応援をお願いしたいんですけどー…」

「あいつらはその場にいたらしい。今、連絡を取る」

「お願いしまーす」

「怪我するなよ?」

「お昼、食べれそうにないからー。ケータリング注文しといて」

「何食いたい?」

「適当でいいよー。またね、愁汰」

「ああ」












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