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不治の病(ツナ+10)





「ツナ!!」
「え、っちょ!?名前ちゃん!?」




勢いよくドアが開いたのが数秒前。


こんなドアの開け方する守護者は全員、任務に向かっている筈だよね…?

そう呑気に思っていたのも一瞬で終わりになった。



そこには、がばりと抱き着いてくるイタリアにいるはずがない幼馴染の姿がある。

それを受け止めきれなかったのと共に驚きで俺はその場にドタンと倒れてしまった。

…軟だよなー。俺。

「…あ、ははっ。久しぶり、ツナ!!あと、大丈夫?」
「うん。久しぶり。大丈夫だよ。
…けど、隼人が来る前に退いてくれると嬉しいな。」

今の状況は名前が俺の腰辺りに乗っていて、傍から見るとやばい。

けど、それ以上に俺の理性も結構ヤバイ…!!

何より、隼人に見つかると名前ちゃんを果たすとか言い出しそうだし。
俺がさせないけど…。
「へ…!?あ、ご、ごめん。」
立ち上がって慌てて俺の上から名前が可愛く映る。
同時に、かぁっと真っ赤に染まる頬で照れているのが分かる。

退いてくれたおかげで重みがなくなって、
俺もその場から立ち上がって付いてしまった埃を払った。
意識してくれてるのかな。

「そうだ!!なんでイタリアに…!?」

「ん??あれ、不治の病なんじゃなかったの!?」


「え゛…。誰が言ったの!?」
「金髪のちょっとドジなお兄さんがリボーン君の伝言だって言ってたよ。」
「…ディーノさん!?」

リボーンの伝言のために態々、行ったのかな…?

「それでね、恭弥先輩が出てきて飛行機に乗せてもらったの。」
「え、えっと、雲雀さんから何か言われた?」
「『沢田の事、好きなの?』って、」
傍若無人にも程があるよ、雲雀さん…。
質問ストレート過ぎじゃ…。
「それで…?」

「「『彼が好きなら乗りなよ』」…あ。」

「…って言ってあげてたんだよ、沢田。
それと、猫被るのやめたら…?…キモチワルイ((ボソッ」
それだけ言うと突然現れた雲雀さんは、
報告書を投げつけて欠伸をして出て行った。


…どう解釈すればいいんだ!?
今回は悪魔みたいな家庭教師と、
傍若無人な風紀委員長に感謝しなくちゃならないのも癪だ。



「…そ、そうなの?名前ちゃん。」
「あー…、うん。まぁ」
「じゃ、デート行かない?」
「へ!?でも、不治の病は!?」
「え…?あぁ、きっと、恋煩いじゃないかな?」
「誰かに恋してるのにデートしていいの!?」



「俺、一途に名前しか好きじゃないんだけど。
…信じてもらえない?」


「信じるよ…?」







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