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だって、(ツナ+10)※死ネタ




愛しき人が『死んだ』という事実を
長年、彼の家庭教師をしていた人から知らされた。



「いつまでも、
傍にいるって言ったじゃないですか……っ」


棺の中で青白くなった貴方が横たわって眠っている。
けれども、それは綺麗で今にも起き上がって笑ってくれそうだ。
『死んだ』その言葉は今も脳が処理をしてくれない。
「なん、で…!!なんで…っ。うっ…く」
普段は流した事もない大粒の涙が頬を
伝わり零れ落ちる。

カチャリと扉が開いたのに気がつきそちらを向いた。
…誰?
「名前……。」
眉を下げて困った顔をしてるであろう隼人の姿も霞んで見える。
「…っ、隼人。見ないで!!…あ、あのっ、お願いを聞いてくれる?」
袖で涙を拭って幾分も背の高い獄寺さんを見上げる。
「え?あぁ…。なんでも聞いてやる。」
真っ直ぐな緑の瞳がこちらを射抜く。
「泣いた事を誰にも言わないで…、お願いします。」
「なっ!?名前はそれでいいのかよ!?」

「…誰かが明るく振舞わないといけないですから、」

驚いて顔を歪めた隼人にニコリと笑顔を貼り付ける。
笑ってなければ…。憎しみで狂ってしまいそう。
それが怖いから。だから、笑みを浮かべる。
「…それに、ツナに笑顔を見ていてほしいんです。」
「わ、分かった…。けど、今は精一杯泣けよ。いいな!?」
「…はいっ。」
そう言ってパタンと扉を閉めて去っていった。
それを合図にしたかのように、
ピタリと先ほど止めてしまった涙が流れ落ちる。
一生分の涙を枯らすように思いっきり泣いた。








―――…さぁ、明日は思いっきり笑おう。

















(俺さ、名前の笑顔を守りたいんだ。)
(お前は本当にそれでいいんだな…?)
…とある大空と家庭教師の会話。





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