君恋し、(雲雀)
「委員長!風紀見回り終わりました」
「ふーん、そう。
名前、今日は随分早いね?」
僕は名前に近づくとその腰を抱いて僕の膝の上に座らせる。
「校内に人…あ、シャマル先生以外残ってなかったんで」
「あぁ、あの医者か…。何もされてない?」
「委員長に教わった護身術でなんとか」
「ワオ、やっぱり君は僕の思ったとおりだ」
今だけは、僕を映すその瞳。
今だけは、僕を呼ぶ声。
今だけは、傍にある僕よりも遥かに小さい白い手。
…君をいつのまにか好きになってたみたいだけど、
君はいつ気づくのかな。
「そうですか?あのですね、委員長」
「なに?僕に異論があるの?」
「前々からお聞きしたかったんですが、
なんで話を聞くとき一々膝に座らなくてはいけないんですか…!?」
「悪い?」
「いえ、えっと…そのですね…なんというか…」
少し頬を赤らめた君。
その頭の中は今、僕で一杯なんだろうか?
「何?」
「複雑というか…、まぁ、はい。
これは、悪戯ですか?本気ですか?」
「本気って答えたら、君は跳ね馬に恋焦がれるの止める?」
「え、ちょっ、何で知って…!
あ、まさかリボーンさん!?」
「違うよ、君をずっと見てきたんだ」
「へ…!?」
視線を彷徨わせ戸惑うその顔は可愛らしい。
今は、僕だけのものだ。
「それより、いいの?
今日って跳ね馬があの草食動物を訪ねてくるらしいけど」
「本当ですか!?」
「けど、行かせないって言ったら?」
「へ?」
オロオロと揺れる瞳には、だんだんと涙が滲んでくる。
それについ加虐心が煽られる。
「 」
けれど、君に嫌われたくはないから頬を撫でてその右頬に口付けを送った。
「恭弥ー!来たぞー、っと名前もいたのか。
久しぶりだな」
「え、えぇ!?あの、えっと委員長?」
「…跳ね馬が来たのに眼中に入ってない?」
「あ!!ディーノさん、こんにちは」
僕の腕をすりぬけて空気になった僕の言葉は届かなかったけど、それでいい。
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