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蝶の華!!!
今は放課後。
みんな帰宅部のため、放課後はかーなーり、暇なのだ。
そして、いつからか(いつからかじゃないな。幽が来た次の日からだな。)唄と幽は私の家でうだうだしてから帰るようになった。
大体定位置は決まっていた。
勉強椅子を占領するのは唄。
ソファーに寄っ掛かるのは幽。
私はこたつに座椅子。

「なぁ、昨日映画見たんだけどさ…俺らってあんなのになれねぇかな…」
「はぁ?あんなのってどんなのだよ」
はぁ…
説明しよう。 なぜ、私が溜め息をついたのか。
「オイ。お前さ、それ毎日言ってね?そろそろウザイから他の話しない?」
そう。 バカな唄が毎日毎日同じことをいうのだ。
「ヤダね」「え?ヤダ」
普段喧嘩ばかりの二人が、こう言う時だけ仲が良い。
「んでだよ。昨日見たやつがさぁ、自分達の生きる世界を守るために命を落とすって海外映画だったんだよ。くっそカッコヨクね?」
唄が私の勉強椅子をギシギシ軋ませながらキラッキラの笑顔を向けてくる。
「椅子が壊れる…」
「ばっかじゃねーの?俺らに守るべき世界なんてねーじゃんか(笑)」
「ソコにいるじゃぁん」
無邪気に笑い指差す先には…私?!
「はぁ?馬鹿は休み休み言いなさいっ!」
唄の頭をバシッと叩くと、幽まで「確かに…姫は守んないとな…」とか呟きだした。
「いてっ!ブー…良いじゃんかよー。でもさぁこれならさ、全く共通点無かった俺らが一緒に居る意味になるんじゃね?愛羅に会うため、だけじゃなくて仲間を 守るためにってな」
ニカッと笑い、少し照れたように頭を掻く。 最近気付いた唄の癖だ。
「はぁ…まぁ、いつまでも私の部屋に来られるのもいい加減、迷惑だしな…それなら、な。まだいいだろう」
溜め息をつく私の目の端に喜びを露にする唄の顔が映った。
「じゃあ、名前決めねぇとな!自警集団だし?」
「そうね…」 多分、端からこの光景を見たらシュールだったと思う。 だって、普段は笑みを絶やさないはずの2人が、今は両方とも、真顔だ。あ、ダメダメ。ちゃんと考えないと。

「蝶……蝶ノ華は?」

考えること10分。 唄がひとつの名前を口にした。
「蝶は…まんま、愛羅の首に居る奴で、華は俺ら!ほら、俺らイケメンだろ?」
笑いながらドヤる唄の顔がなんか、可笑しくて…
私達は「ただの集まり」から、「蝶ノ華」というファミリーになった。

何をするのかって?
さぁね。
知ーらないっ。

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あきゅろす。
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