びしょ濡れの猫


朝からどしゃ降りだった。

今日は休みで、学校もない。
かといって何の予定もない。

つまらないし、何だか寂しい。

「…はぁ、暇だなー」

ベットから降りようとした時。



ゴンゴン



窓を叩く音がした。

見れば傘もささずに雨にうたれながら震える三橋がいた。

「何やってんだ…!!」

俺は慌てて窓を開ける。

「ううッさみー!!早く入れろよな伊藤」

靴を脱いで入ってきた三橋の身体は驚くほど冷えていて、唇も少し紫がかっていた。

「お前…何で……」

「ん、暇だったから遊びに来た」

ニカッと笑う三橋。

「馬鹿かお前は!!雨降ってるのに、傘もささねぇで…こんなに身体冷やして…!!」

「な、なんだよー怒るなよー」

「怒るに決まってるだろが!!風邪でも引いたらどーする気だ!!」

一気に怒鳴ってから、きつく抱きしめた。

三橋が驚いて身体が硬直するのがわかる。

「こんなに冷たくしてよ…」

「…悪かったよ、だから離してくれ」

三橋が珍しく謝る。
だけど

「やだね。お前があったまるまで離さない」

俺は三橋を離したくなかった。
ベットに敷いてあったシーツをタオルがわりに、三橋に被せる。

「伊藤」

「頼む三橋…頼むから今は黙ってて」

諦めたように三橋が俺の胸に身体を持たれかけた。



今は、このびしょびしょに濡れた猫を温めてやりたかったんだ。














END
アトガキ
ウヘァ…。
最近うまく話が書けなくて泣けてくる(涙


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