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短編小説
I love you. Me too.
“この関係は何?”


貴方の“一番”が欲しくて、

貴方の“隣”に居たくて。


それでも、手を伸ばしても届かない距離に、貴方はいた。

そんな貴方を捕まえる為に言った。


「遊び相手になって下さい」


それはあまりにも酷な言葉。

望んだ関係になれないのなら、せめて貴方との接点が欲しい。

貴方に触れられるのなら、どんなことでも良かった。


一方通行の“愛”という感情は、貴方には全く伝わって無くて。

それでも貴方が愛しくて。

そんな貴方が愛しくて。


伝わらないと分かりきった言葉を、何度も数えきれないほど貴方に囁いて。

“I love you”と言った自分の言葉の次に、貴方の“Me too”という言葉が聞きたい。

そう思って幾度と繰り返しても、決して返ってくる筈なんてないのに。




「竹内って、変わってんな」

気だるそうな顔をしながらベッドに寝そべっている。

「何でですか?」

「何で俺なんかに声をかけた?」

ワイシャツのボタンを締めようとかけた指が、一瞬固まった。


「それを聞く必要があるんですか?」

「や、別に。ただの興味本意」

「…別に、ただ興味があったからですよ」

「は?」

「俺が中山さんに声をかけて、そしたらどんな表情するのかな、って思っただけです」

「ふうん」

「そんなこと言ったら、中山さんの方が不思議ですね。普通、気持ち悪く思うでしょ?」


そう言った後で後悔した。

もし、気持ち悪く思ったとはっきり言われたら、きっと動揺は隠せない。


「や、気持ち悪いとは思わなかった」

「…へ?」

「何か、面白そうって思った。なんだろ、お前とそういう関係を持って、誰にもバレない様に過ごすって、何かのゲームみたいだろ?」


な、と貴方は寝そべりながら、笑顔で付け足した。


「はは、ゲーム…ですか」


“気持ち悪い”と思われていなかったという安心感。

そしてこの関係を“ゲーム”と思われている事への虚しさ。

二つが入り交じり、改めて貴方との距離を感じる。



…―――俺は心の何処かで、少しでも近くなったと思ったのだろうか?


「ねえ、中山さん」

「何?」


まるで何処か遠くで光り続ける星の様な貴方へ。


「俺は中山さんの事、」

伝わらないなんて、知っている。貴方へのこの気持ちが伝わらないことなんて。

ただ、いつかその星に、その心に伝わるのなら、何度でも言おう。


「結構好きですよ」






遠くで輝く星は、また笑った。










I love you. Me too.

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