[携帯モード] [URL送信]

短編小説
青春ライダー. (非恋愛)
予告なしに現れて、
知らぬ間に去って行く。


素顔は誰も知らないが
名前は知られた“青春ライダー”


こんな世の中を一人でさ迷い、
“青春”という響きを求める者を助ける。

どんな所だって、どんな時だって、
優しいアイツはすぐに駆け付けてくれる。


名前は誰が付けたのか。
今の世の中じゃ恥ずかしい“青春ライダー”


センスの欠片も無いけれど、
不思議と好かれたこの愛称。


今日も何処かをさ迷い
“青春”の響きを求める人々を、助けているのだろう。


枯れた心に潤いを。

冷めた心に温もりを。


優しいアイツは、自分を犠牲にしても駆け付けるだろう。


誰かが言った、こう言った。
“青春ライダーは、
自分がしたことが無いから、皆にああやってやっているんじゃないか”

おかしな話だ。
助ける癖に、自分がしたことがないなんて。
なら、何故助ける?


“自分がしたことがない、その哀しさを知っているから
こんなにも頑張っているんだろう”



誰かが言った、俺に言った。


そうなのか、青春ライダー。
本当なのか、青春ライダー。



そうなら今度は、お前を俺たちが助けてやるよ。
助けられた俺たちが、お前に青春を教えてやるよ。


誰かが言った、こう言った。

“その必要は無いだろう。
だってアイツは
今、皆を助けていることで、青春の響きを感じているからだ”



















青春ライダー.

[*back][next#]

10/29ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!