「あ、ムーチョ、お前に話があるんだった! 悪い、三途と2人残ってくれ。 ケンチン、とりあえず誕生日会は後日ならこのまま解散で良いか?」 ドラケン「あ、あぁ。 まぁ!マイキーのお願いだからな。 明日にでも盛大に祝ってやるからそれまで楽しみにしとけよ!」 「おう、ごめんな、そんで今日はありがとな、みんな! また明日にでも祝ってくれると嬉しい!」 ドラケン「まぁまぁ、気にすんなって。」 マイキーの言葉で各々帰って行く。 ムーチョと三途はそのまま残るとマイキーの前に立つ。 マイキーはそんな中、東卍の裏切りについて話を切り出すと真剣な表情でムーチョはマイキーに現在の状況を伝える。 それをムーチョの隣で後ろで手を組み背をピンッと伸ばしたまま無言で聞き耳を立てる三途。 そして一通りの報告が終わるとマイキーはニコッと笑顔を見せる。 いきなりの切り替えにムーチョは少し驚くがそれを表に出さずに無表情で伝える。 ムーチョ「なんだ?」 「オレ、誕生日だし、なんか無いの?」 ムーチョ「……あぁ、あるぞ」 「わぁい、なになに?」 ムーチョ「冷めてしまったが、たい焼きだ」 「うわ、ホントだ、冷めてるじゃん!」 ムーチョ「悪いな、直ぐにと思っていたが…」 「ありがとな、ムーチョ!」 ムーチョ「喜んでもらえて良かったよ」 「当たり前だろ?オレの好物だしな」 ムーチョ「ふむ…。」 モグモグと冷めてはいるが好物は冷めていても美味しいらしいマイキーの顔は満足そうに食べていた。 そして、食べながらも石段を降りながら三途前へ向かい合うように立つ。 たい焼きをペロリと平らげ三途にもニコッと笑みを見せる。 そんなマイキーに三途はドキリとする。 「三途は?なんか無いの?」 三途「(あぁー!可愛い、可愛い!俺の王が微笑んでる!)……ありますよ」 ニヤニヤしたい気持ちをグッと堪えながらもポケットから小さな袋を取り出す。 それを三途はスーッとマイキーに渡す。 マイキーは頷きつつもそれを受け取る。 「ありがとな、どれどれ」 三途「(俺のプレゼントを開けてるマイキー可愛い)……」 「おぉー!これってバブのキーホルダーじゃん! しかもオレのと同じ!」 マイキーは幸せそうに笑い三途の肩をバシバジと叩きながら嬉しさを表す。 そんなマイキーに叩かれつつ身体が左右に揺れながらも無表情を貫いていた。 しかし心は大荒れである。 三途「(クソっ、抱きたい、抱きたい、可愛い!抱き潰したい、あぁーーーーー!俺の王がクソ可愛い!)……喜んで貰えて良かったです。」 「おう!本当に2人ともありがとな。 めちゃくちゃ嬉しかった!」 ムーチョ「満足そうだな」 三途「マイキー……良かった」 「ん、じゃ、今日はもう遅いし、また明日もあるから解散な!」 ムーチョ「あぁ、わかった。 じゃ、また明日」 ムーチョは頭を下げるとそのままバイクを停めてる場所へと足を進める。 三途も同じ様に頭を下げマイキーに背中を向けようとするといきなりマイキーに肩を掴まれる。 何事かと三途はマイキーを見詰めると、マイキーは読めない表情で三途の耳元で囁く。 「お前、マスクしてても顔に出過ぎだ。 オレはお前には抱かれたりしねぇよ、オレがお前をヤる方だし」 ムーチョ「……?三途?」 三途はフリーズし、そのまま固まる。 マイキーはそんな三途をスルーすると横を通りすがる。 ムーチョは首を傾げつつも足を止めていた。 そんなムーチョにマイキーはニコニコしながら「ほっといていいよ、行くぞ」っと声をかける。 ムーチョは軽く頷くと三途に人声かける。 ムーチョ「三途、いつもの場所に来いよ、先に行ってる。」 ムーチョの声に三途は我に返ると体制を立て直し、マスクを外すとそのまましゃがみ込む。 神社には三途しか居なく、耳まで赤くなった顔をギュッと抑え、声にならない声を出していた。 三途「(八?!顔にでてた? 俺の?え? ちょっと待て、なんて言ってたんだ? ってか、下心バレてた事に驚くべきか? あぁーーーーー!!! 俺の王はやばい!)クソ……」 小さく呟いた「クソっ」は誰に聞かれることも無く夜の空に消えていく。 三途は暫くそのままだったが、何事も無かったかのようにスクッと立ち上がりマスクを付け直すと、ムーチョの居る場所へと向かった。 しかし、三途心臓は静まらないままだったのはまた別の話だ。 ムーチョ「マイキー、誕生日おめでとう」 三途「誕生日、おめでとう、マイキー」 End. 戻る |