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キミのトナリ
B
―朔弥 Side―

俺より先に柊の可愛い寝起き姿を見るとは、アイツもいい根性してるじゃねーか!
しかもあんな近距離で!!
ムカつきながらも、妹の少しも怯まない態度に、たいしたもんだと正直感心していた。
ったく、変な所ばっか似やがって。
ただそんなイラつきも、柊の顔を見るだけでスーッと気持ちが落ち着くから不思議だ。
そして、さっきとはまた違うざわつきが芽生える。
わざと濃くつけた跡を意識させるように指と唇で触れると、柊から甘い声が漏れた。
絶対身体はきついはずなのに、健気に俺からのキスを受ける姿に、愛しさが込み上げてくる。
つーか、いちいち柊が可愛すぎて困る。
一度芽生えた欲を摘み取るのは、今まで本能剥き出しで生きてきた俺にとって至難の業だが、それを今はしなくてはならない。
とは思いながら、なかなかキスをやめられずにいると。

「フフフ。みーちゃった!」

ハッとして後ろを振り返ると、少し開いていたドアのすき間からニヤニヤと変な笑顔を浮かべている母親の姿が。
この時点で、柊をここに連れてきた事に俺は少し後悔し始めていた。




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