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キミのトナリ
D
―柊 side―

緩やかな坂道を足早に上る朔弥に手を引かれながら、まだ明るいのにピカピカと光り輝く看板がたくさん並んだ場所へと近づく。
目に飛び込んで来る『休憩』と『宿泊』の文字を見て、朔弥が行こうとしてる場所を理解してしまった。

ココってまさか…!
ラブホテルなんじゃ?

こういう所は、大人の人達が来る場所なんじゃないのかな?
高校生の、しかも僕と朔弥は男同士なのに良いの?
僕が混乱している間に、朔弥は慣れた様子で何かのボタンを押して、僕の手を握ったまま建物の奥へ進んで行き、部屋のドアを開けて僕を先に入れると、直ぐさま鍵をロックした。
スムーズな動きに見とれて、一瞬ここがどういう場所かさえ忘れかけていたのに、背中から強く抱きしめられてすっかり思い出してしまう。
朔弥の温もりを感じると、僕の身体は一気に熱くなった。

「ずっと、お前とヤる事ばっか考えてた。」

甘く響く朔弥の声にクラクラする。
朔弥の唇が耳にキスしたり、カプッと優しく噛んだりするたびに、ゾクゾクしてくすぐったいような、そうじゃないような感じになった。
恥ずかしくて、どうすればいいのか分からなくて、この腕の中から逃げ出したくなる。
でも、…本当はもっともっとして欲しい。
朔弥にいっぱい触れられて、キスをして、もっともっと朔弥を感じたい。
僕も朔弥と同じこと考えてるんだよ。
そう言おうとしたら、朔弥の唇に奪われて言えなくなっちゃった。
少しでも伝えようと、正面に向かい合って今度は僕からキスをした。
朔弥の首に精一杯腕を回してギュッとしがみつき、チュッチュッと小さく何度も何度も。
これが今僕が出来る精一杯の好きだよっていう合図。
そしたらちゃんと言葉にしたくなって。

「大好きだよ。」

言ってはみたけど、身体から火が出てるんじゃないかと思うぐらいカーッと熱くなった。
きっと今の僕は全身真っ赤になってると思う。
恐る恐る朔弥を見ると、驚いたように目を丸くしていた。
それは多分、普段僕からそういう事をあまり言わないからなんだと思う。

「俺も、柊が大好きだ。」

僕の大好きな柔らかい笑顔で、朔弥がギュッと抱きしめてくれる。
その背中に手を回して、僕も朔弥を思いっきり抱きしめた。

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あきゅろす。
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