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キミのトナリ
C
コールがやけに長く感じて、早く早くと気持ちが急いている。
仕方なく切ろうとしたその時。

『もしもし!』

この電話を待っていたかのように弾む声が嬉しそうに笑う柊の笑顔まで伝えてくるようで、俺も自然と笑みが零れる。

「今どこ?」

『えっと、家に帰る途中で、今は駅前のコンビニの前だよ。』

駅に着きすぐに切符を買い、次の電車の時刻を確認しながら、素早く改札を抜ける。

「分かった。5分で行くから待ってて。」

『えっ!あっ…はっはい!』

返事が聞こえた時点ですぐに電話を切り、時間通りにホームに滑り込んできた電車に飛び乗る。
柊は今、あまりにも突然で状況を理解出来ずに混乱してるんだろうな。
柊の家と俺の家の最寄り駅までここから1駅。
電車を降りて、柊の所まで走ればちょうど5分で着けるだろう。
早く会って抱きしめたい!
可愛く照れる柊の顔を想像して、ニヤニヤと緩む頬を何とか抑えた。
とにかく、1秒だって柊と離れていたくない。
電車のドアが開くと同時に猛ダッシュで改札を抜け、柊のいる駅の向かいのコンビニへと急ぐ。
ロータリーに行き交う車の波にイラつきながら横断歩道で止まると、申し訳なさそうにそこに立つ柊の姿を捕らえた。

「柊!」

信号が変わるまで待ちきれずに、人目も気にせずデカい声で名前を呼び、大きく手を振る。
それに気付いた柊が、パッと顔を明るくして、少しだけ赤くなりながら俺が向かって行く歩道まで歩み寄った。
そのタイミングでGOを出すように信号が青に変わり、俺はウキウキしながらスタートをきり、柊にたどり着くとそのままの勢いでギュッと抱きしめた。

「さっ!さく!!人が見…」

「いい!」

誰が見てようが関係ない。
言いふらしたいぐらいだ!俺の恋人はこんなに可愛い奴なんだって!!
腕の中で硬くなった小さな身体をもっと強く抱きしめ、抵抗を続ける柊を顎をグイっと掴んでキスをした。

「んんっ!…うっ…はぁ…。」

強張った柊の身体から徐々に力が抜けていく。
それをいいことに口内へ舌を滑り込ませて、柊を味わう。
ようやく唇を離した時に、俺の目に写り込んだ柊の顔は真っ赤に染まり、瞳にはウルウルと涙を浮かべていた。
すげー、エロい!!
その顔だけで、ただでさえ欲求不満の塊な俺の下半身はすでに反応していた。
今すぐココで柊を押し倒したい。
やっと柊をこんな近くに感じられたのに、これ以上俺に我慢出来るわけねーだろ!

「…アソコ行こう。」

都合よくピカピカと派手に光る看板の群れが目に飛び込んで来きて、真っ直ぐその方向を指すと、迷うことなく歩き出した。

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あきゅろす。
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