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キミのトナリ
B
―柊 side―

だ…だ…だ…抱くって…つまり…


…そういう…こと…だよ…ね?


さっき朔弥の気持ちが分かったばっかで、僕から好きって言って、朔弥も僕のこと好きだって言ってくれて、初めて…キス…して…。
それだけで僕は胸いっぱいで、すごく幸せで。でも予想外すぎて、まだ頭がついて来てないうちに朔弥の家に来ていて。
今…こうして抱きしめられている。
どうしよう!!心の準備が出来てない!僕だって一応男だし、することは理解しているけど…。
確か、あんな事とかこんな事をするんだよね?という程度。
自分でしたのも片手で数えられるくらいで誰かとなんて全く経験のない僕には、まさに今自分がその状況にたたされていることを理解出来るはずがない。

うわぁー!!どどどどどどうしよう!!!
キスだけであんなヘロヘロになっちゃったのに、それ以上されたら僕どうなっちゃうんだろう。

「言ってる意味、分かるよな?」

耳元で優しい朔弥の声がして、一瞬ゾクっとしてカラダがカーっと熱くなる。
なんだか恥ずかしくて顔を上げられない。黙って頷くと、ゆっくり朔弥の方を向かされる。
どうすればいいのか分からない。朔弥の全部が欲しくて欲しくて堪らなかったはずなのに、今は不安と緊張で胸が張り裂けそうだ。
嫌なわけじゃない。
でも、全く経験のない僕にはどうすればいいのか分からない。朔弥に触れられる度にビクッとして、身体が勝手にギューっと硬くなる。

「イヤ?」

「…ィャ…じゃ…ない。」

緊張で上手く声が出ず、なんとか小さいながらも答えると、かろうじて朔弥の耳に届いたみたいで、強く、優しく抱きしめられた。

「シュウ…。」

「…はい。」

名前を呼ばれても俯いたままの僕の顎に朔弥が優しく触れ、ゆっくりと顔をあげられる。その最中もまぶたにさえ力が入って目を開けられない。
そんな僕を見て朔弥はクスッと笑う。そしてもう一度優しく名前を呼ばれて、僕はようやく朔弥を見ることが出来た。

視線がぶつかる。
ドキドキして熱くて苦しくて、…すごく嬉しい。嬉しくて恥ずかしくてなんだか泣きそうになる。

「柊…好きだ。」

僕も朔弥が大好き。
好きで好きで仕方がない。もっと朔弥に近づける方法があるならそうしたい。
こんな僕を大好きな人が求めてくれてるのに、恥ずかしさと恐怖感で金縛りにあったみたいに動けなくてどうすることも出来ない。
引き寄せられて唇が重なる。離れては触れてを何度か繰り返すうちに少しづつ力が抜けていく。気が付くとさっきまで受けるだけだった僕からも、キスを求めていた。

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あきゅろす。
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