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キミのトナリ
ユウキノチカラ
「ここだよ。」

「へー。ここかー!」

薄汚れた白い外壁の10階建てマンション。
ここの7階に僕は一人で住んでいる。

「あっあああのっ!」

「ん?」

「ちょっちょっと上がってく?」

もう少し一緒に居たくて僕は勇気を振り絞って朔弥を誘った。

「良いのか?」

予想外だったらしく驚く朔弥を見て、返事の代わりに僕は3回早く頷いた。





「結構広いなー!」

朔弥をリビングへ案内すると冷蔵庫からコーラを出してコップへ移す。

「どうぞ。」

「お!サンキュー。」

コップを手渡すと朔弥が座るソファではなく下のラグマットへ腰を下ろした。

「何人家族?」

「今は一人。」

「一人って、親は?」

「本当は父と母の3人だったんだけど、去年離婚して今は20歳までっていう条件で母親に金銭面だけ頼ってるんだ。だからここには僕一人。」

自分の事なのになんだかあんまり実感がない。長い間ずっとこの家では一人だったから。

「お前…寂しくねぇの?」

「うん、今は静かでいい。前はケンカばかりだったから。」

本当は自分でも寂しいのかそうじゃないのか分からない。




「週末泊まりに来るから。」

「へ?」

それから漫画とかゲームの話をして、帰り際半ば強引に週末の約束をされ、『また明日な』といつものように僕の頭に軽くポンと大きな手がのり、いたずらっぽく笑うと朔弥は帰って行った。

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あきゅろす。
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