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キミのトナリ
幸せと不安
―柊 Side―


最近…朔弥がなんか変。



合コンの誘いも何度も断ってるし、ボーっといつも考え事してるし。



何より大きな変化は僕にすごく優しくなった事。



僕が倒れたあの日から僕のを「柊」って呼んでくれるようになったし、前にも増して優しく笑ってくれる。


朔弥の変化ならすぐ分かる。だって僕はおかしいくらい朔弥を見ているから。

だから優しくされて嬉しいけど…すごく恐いんだ。



幸せ過ぎて、恐い。





ほら、今だって…。



「朔弥?どうかした?」

「いや、別に。」

僕の方をじーっと見てたかと思えば今は窓の外を眺めてる。
本当にどうしたんだろう…。一体朔弥をそうさせてるのは何?






「最近一人で帰ってんの?」

「うっうん。なんか夏樹用事があるみたいで帰りは別にしようって。」

まさか夏樹に朔弥との時間作れって言われてるとは言えない。
僕の必死のごまかしに納得したのか朔弥が「ふーん」と返事をする。

「じゃあ一緒に帰る?」

「へ?」

「方向一緒だし、たまには二人で帰る?」

しししっ信じられない!
初めて誘われた!!
まさか!朔弥と帰りも一緒なんて!!
あまりに唐突で驚き過ぎて何も返せない。

「もしかして用事ある?」

「ななっないよ!」

朔弥意外に大事な事なんてあるはずがない。

「じゃあ行くぞ。」

僕の頭をポンと優しく叩くとすぐに教室を出て行く。僕はドキドキ高鳴る胸を押さえながら慌ててその背中を追った。

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あきゅろす。
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