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キミのトナリ
F
風が強く吹くのか、時々ガタガタと窓を揺らす。
その音で、ハッと意識を引き戻された。
もしかして、今寝てた?
さっきよりも低い視線に、床に倒れていたんだと認識した。
物凄く怠くて、身体が熱い。
エアコンはつけっぱなしのはずだから、熱中症じゃないと思うけど、汗はかいていない。
そんなこと、もうどうでもいいか。
無理やり身体を起こすと、クラクラと目眩がして急に吐き気に襲われる。
1メートルも離れていないはずのトイレが異様に遠く感じて、這いながら無理矢理身体を動かしてたどり着き、何とか床を汚さずに済んだ。
吐いたモノに赤色が混じってる。

「…これ、血…かな?」

胃が迫り上がって来るみたいに痛くて、寒気がする。
自分でもこれはヤバいと思った。
どうしよう…。
病院行かなきゃダメなやつかな?

「…もう、いっか」

どうせもう朔弥にも、夏樹や本田君にも、みんなに会えない。
あの時みたいに、また知らない場所で知らない人と暮らさなくちゃいけなくなるんだ。
また、母とも毎日一緒に。


もう、無理だ。


『大切なモノ』がどんなか知ってしまったから、なかった事にするなんて絶対に出来ない。
それが出来るとしたら、それは母じゃない。
僕だけだ。

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