最近、ロックの周りには不思議な事が起きる。自分の愛用していたバンダナが一枚なくなったり、ポーチに準備していたものが消えていたりと、内部犯行でしかありえない出来事だ。 「つーか、下着が減るとか有り得ないだろ…」 ミズ's request No.[エド→ロク(ギャグ)] だから、どうしてそうなった あまりイライラしていたのだろう、セリスに心配されてしまったロックは自省の為に一人で寝室に戻る事を選ぶ。一日ひとつ物が無くなっていくのにロックは疲れてしまったのだ。 疲れた目でロックが自分のベッドを見れば、明らかに人型のこんもりしたなにかが布団の下にある。どうみても人型だ。 「なんだよ、これ」 ばさりと掛け布団を開けると、真っ先に見えたのは肌色。褌一枚で蜂蜜色の髪を結び、薔薇を咥えた何かがいる。薔薇が妙に毒々しいほど赤い。 「お疲れのようだね、親友よ。ベッドをあたため…」 ドゴォッ。 有無を言わさず唸るスクリュードライバー。ロックの拳は見事エドガーの胸元に決まった。げほげほと咳き込むエドガーを尻目に、汚らしいものを触ったと手袋をした手が振り払うようにひらひらと舞う。 「痛いじゃないか、親友にこの仕打ちはな」 鈍く唸るストレートの音。 次は綺麗に引き締まった鳩尾に決まったようだ。ぐうの音も出ずに蹲ったエドガーの褌から何かがはみ出しているが、ロックは出来る限り見なかった事にした。 ようやく、ロックは全てを理解する。今までの物が無くなったのは全てエドガーの仕業に違いないと。 当然、エドガーの部屋を家探しすれば見つかるのだろうが、気持ち悪くなってむしろ今までの物がいらないとすらロックには思えた。 「…次は、顔でいいかオウサマ」 くぐもったロックの声は本気だ。ヘーゼルの瞳には殺気が宿っている。 何故かロック愛用の枕を大事そうに抱えて、エドガーが膝立ちで立ち上がった。 「私はお前のためをおもっ」 エドガーが口にする言葉は、ロックの部屋を出るまで最後の言葉をひとつも言わせてもらえなかった。 そして、エドガーが褌に水色の外套一枚を掛けてロックの部屋から放り出されると、彼は満足そうにロック愛用の枕を抱きしめた。 「素晴らしい戦利品じゃないか」 ロックの受難はまだまだ続きそうである。 リクエスト RT user ミズ様 [FF6ページへ戻る] [TOPへ戻る] |