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存在理由
9

ウルは、寒い寒い二月。
 
その日結構体調のよかった俺は三十分だけという約束で、外で散歩をしていた。
 
少し疲れたので、公園のベンチで休もうと近くの公園に入るとどこからともなくか細い子猫の鳴き声が…。
 
声のするほうに行ってみると、小さな子猫がこの寒空の中一人鳴いていた。
 
あまりにも可哀想で、俺はそいつを家に連れ帰ったんだ。
 


 
これが俺とウルの出会い。
 
まあ親には反対されたけど頼み込みましたよ。
 
泣き落としで。
 
今じゃ二人ともウルを可愛がってる。
 
もともと二人とも動物好きだしね。

俺の体を思って反対してただけだし。

 


さて、と。

いつまでもバッグの中にいるのは可哀想だから、出してあげないと。

そっと上についているチャックを開け他途端、ウルが飛び出してきた。
 
そして、一目散に俺の膝の上に飛び乗る。

『ニィ〜』

「よしよし、一人で寂しかったんだな。もう大丈夫だぞ。」
 
ああ…可愛い。
 
俺のお腹に頭をグイグイ押し付けて甘えてる。
 
俺はウルを好きなだけ撫で回し続けたが、だんだんと眠くなってきた。

「眠い…。今日はたくさん歩いたから。」
 
膝の上でくつろいでいるウルを抱き上げ、ベッドへといく。
 
周りにひらひらとカーテンがついているのは気にしないことにする。(天蓋つきベッドです)
 
俺はそのままベッドへとダイブして、一気に眠りの世界へと旅立った。


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