[携帯モード] [URL送信]
B and W





「生まれ変わったら鳥になりてぇな」
「…貴様、阿呆か」
「俺はいつだって本気だぜ、」



そう、鳥になれば何にも縛られず、自由にどこまでも飛んで行ける。
家だの世界だのつまらない型枠から外れ、どこまでも。



「アンタに会うのだって、楽になる、一々陸路も海路も面倒なんだよ」



どんなに急いでも、途中で何度も馬を替えなければならない、この手間が面倒だ。
それに前に一度、陸路に飽きて海路で中国まで行ったら、あまりの時間と揺れに流石に船酔いし、散々だった。
中国一日目を布団で過ごすという最低の思い出が甦る。
この時ばかりは元親を尊敬した。



「仕方あるまい、我は此処を離れる気はない、それは政宗も同じであろう、相容れぬものだ」
「そんな簡単に割り切れたら苦労しねえ」



ぎゅうと抱き締める、幾ら妄想したとて再現できない感覚を、これでもかと味わっておかないと。
次の逢瀬はいつになるかわからない。
だから今のうちに、出来ることはしておきたい。



「元就サンは、生まれ変わったら何になりたいんだ?」
「我、か、」



何と言うのだろうか、
この人は推し量れそうで推し量れない。



「…そうだな、木になりたい」
「Wood?また、何でそんな」
「政宗は鳥になるのであろう、それなら羽根を休める止まり木が必要ではないか」



嗚呼、この人は本当に、



「そなたがあちこち飛び回っている間、我は待っていてやろう」
「ha!今と何ざ変わらねぇな」
「違いない、」



俺が天下の為に走り回っている間、この人は此処で待っていてくれる。
そして時たま、走り疲れた時に会いに来る。
常に共に居るわけではないけど、そのくらいのDistanceが今はいいのかもしれない。
‐何れは片時も離れないようにする心算だが



「元就サンも鳥になったらいい、」
「我は忙しなく動き回るのは苦手だ」



確かにそれもそうだ。







あきゅろす。
無料HPエムペ!