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仙流復活祭
春一番!(4)
「そんなに締めると抜けねーぞ♪」
愉しそうに言われて、流川は直ぐに言い返す。
「テメーの所為だろっ…!」

そうしたら仙道に髪を撫でられ、やさしく言われた。
「暫くこのまんま居よーか…」

流川のあの艶声に撃ち落とされて、まだ離れたくない。
流川の方は無意識だったし、そんなに高いヒットポイントだった自覚などない。

顕在意識が戻っても自分の中に仙道の存在を感じるのは何だか恥ずかしいのだが、彼にぎゅうっと抱きしめられているので、流川は諦めて溜め息をついた。
そして仙道の呼吸と心臓の音を真近に聴いていたら、気持ち好く眠くなってしまい、何と繋がったままで彼は眠ってしまった。
それに気付いて仙道は苦笑しつつ、ゆっくりと肉棒を抜くと、犯された孔から雄汁が零れ落ちる。

いつもの様に流川の躰を拭いてやって、さっとシャワーを浴びると、部屋のカーテンを少し引いて、まだ明けない早春の空を眺めた。

それからベッドの流川を振り返り、仙道は笑みを浮かべてカーテンを閉めた。



明けた日曜、少し遅めの朝に流川は目が覚めた。
キッチンからいい匂いがする。

上体を起こして目を擦ると、仙道が声を掛けてきた。
「起きたか…おはよう。メシ出来たぞ」
「ん……おはよ……」

ベッドを降りようとして、昨日までなかった筈の眺めに、流川は目を見張った。
仙道がやってきて、彼の視線の先を見て微笑む。

「いいだろ、コレ」
それは、壁に貼られた大きなポスターだった。
風景…ではあるのだが、大きな樹が殆どを占めている写真だ。

「これな、カナダの写真で、メープルシュガーっていう樹なんだ」

流川が仙道に顔を向けると、彼はにっこりと笑った。
「楓だよ、メープルシロップが取れる種類の」
黙ったままの流川を見てから、ポスターに視線を移す。
緑から黄緑の樹々に、紅葉が混じっている。

「綺麗だろ…これ見た瞬間、欲しいと思ったんだ」
「…………」

返事がない事を気にした様子もなく、仙道は促した。
「ほら、顔洗ってこい、メシにしようぜ」

そう言ってから仙道はまたポスターを眺める。
そしてポツリと呟いた。

「────楓……」

背中で聞こえたそれが愛情深い音声で、流川は思わず頬を染めた。

(……あんにゃろう……ワザとか////)

自分と同じ名前の樹……それを選んだ仙道の心情は────


ともかく流川はバシャバシャと音を立てて顔を洗って、食事の為にテーブルに戻った。

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