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仙流復活祭
春一番!
(───それはオレが勝つからだ。最後にオレが勝つから楽しいんだ────)


ところが。
県予選敗退───これは思った以上に仙道の気持ちを落ち込ませた。
バスケに対するやる気とか楽しさとか、テンションがすっかり下がってしまい、ぼーっと釣りなんかして気を紛らわせてみたりして。

そんな頃、意外な男が突然目の前に現れたのだ。

「───流川?」

やって来た男は不機嫌を隠さずに言い放った。

「勝負しろい」



ぱち、と目を開けて、夢を見ていたのだと仙道は知った。
県予選の後の出来事…あれが流川とプライベートで逢った初めてだった。

そして仙道は、今腕の中でスヤスヤと眠っている彼…流川を愛しそうに見つめる。

(……オレ、おまえに救われたんだよな…)

流川との1on1は純粋に楽しかった。
そして、
(コイツには負けねー、ずっとコイツの前を走ってやる)
そう思った事で、嘘の様に落ち込みから浮上したのだった。


流川の髪をやさしく梳いていたら、彼の目がゆっくりと開いた。
指を離すと、幾分ぼーっとした表情で見ていたけれど、段々と覚醒してきたのだろう、瞳に力が戻った。

「どうしたんだ?」
「ん?何が?」
訊き返せば、流川の手が仙道の頬に触れる。

「泣きそーなツラしてる」

言われて仙道は目を見開いた。
「泣きそう?オレが?」

キョトンとする彼を、流川が抱き寄せる。
多分これは流川の野生の勘とでも言ったものかも知れない。
語彙の少ない彼には説明する事が出来ない。

そんな彼の背中を撫でて、仙道は微笑んだ。
「…好き過ぎて切ない、って事もあんのかもな」

流川は探る様に仙道を見つめて、一つ溜め息をついた。
「……似合わねー……」

「かもな」
そう応じて笑う仙道は普段通りだ。
「まだ早いぜ?寝てて良いぞ」
早いと言うか、まだ深夜である。

髪を撫でる仙道の手を取って、流川は身を起こした。
そして、ダイブするかの様に仙道の上になって、彼の胸に顔を埋めた。

「アンタは寝ねーのか」
「……ここに居るよ」
ポンポンと宥めるみたいに背中を叩かれ、流川は顔を上げた。
「ガキ扱いすんじゃねー」
ムスッと言われて、仙道は笑った。
「してねーよ、そんな事」

ただ愛しいだけなのに、そんな行為も悔しいのだろうか。

「……なら、オトナなコト、しよーか?」
ニヤリと笑って言えば、流川は無言のままだ。

裸体で自分に乗っかっているオイシイ体勢を、みすみす逃すのも勿体無いし、否定しない事を同意と取って、流川の後頭部を押さえて口づけていった。
ゆっくりと盛り上げていく様に徐々に深くなっていくそれを、流川は抵抗もなく受け入れて、熱い口内を愛撫し合った。

ピチャ、クチュと水音がして、溢れた唾液が顎に零れる頃には、流川の表情がうっとりとしていた。

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あきゅろす。
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