平志小話集
Lovable Fool(ラスト)
後はそのまま、二頭の野獣の様に互いを貪り合って、平次の部屋には淫らな濡れた音と嬌声と、ベッドの軋む音だけが響いていた。
グチュグチュ、ヌプヌプ…ニュチュ、ジュポッ……
パンパン、パン、パン、パン……
「あっv…ああっ……ひっ……ふあぁ…!」
大きな乳房もゆさゆさと揺れて、色付いた乳首もビンビンに勃って、思わず志保がそれを握ってグニュリと形を変えた。
「んふ…ぅ……ァ……」
結合部はもうドロドロに濡れて、褐色のデカマラが出入りする度に淫らな飛沫が舞っている。
赤らんだ陰唇が花びらみたいに肉矢に絡み、やはりドロドロの膣中を犯されるままにキュッと彼を締め付けた。
平次の男根はギンギンに膨らみ、ドクドクと脈動して限界を伝えてくる。
「───くっ……志保っ!」
志保は欲情に染まった瞳でうっとりと平次を見つめ、両手を差し出した。
「………き……て………」
平次はその手を取って志保を引っ張る様にして、ズップリと最奥を突いた。
ビクン!と志保の背筋が反って、腕を引っ張り上げられた形で弓なりになった。
「────!!!!!」
声にならない声を発した志保を揺らしながらズンズンと突き犯し、誘われるままに青臭いザーメンを放った。
熱いそれを受け留めた志保は、三度目の痙攣で頭の先から爪先まで、ブルブルと震える。
そんな彼女をぎゅうっと抱きしめて躰が落ち着くのを待って、それからゆっくりと汗で貼り付いた志保の前髪を指で解してやって、その額にキスをした。
そして今度こそ肉棒を抜けば、粘り気のある淫汁がコポリと零れ出てくる。
それはゆっくりと這う様に尻の窪みへと流れていった。
邪魔なワンピースを脱がせてしまって、太腿の中程までのストッキングだけの志保を改めて抱きしめて、柔らかな乳房が 自分の胸に押し付けられる感触を愉しみながら背中を撫でてやる。
やさしいキスを顔のあちこちに落として労をねぎらえば、彼女は恥ずかしそうに頬を染めて目を伏せた。
多分躰はかなり開発されてきているのだろう、何度抱いても飽きる事なく発見がある。
とんでもなくエロいカラダに、嗜みを忘れない女性らしさや恥じらいも持っている彼女は、男にとっては至宝である。
「───オレ、めっちゃ強運やんなぁ……おまえとこーやって知り合えただけでも元取れるわ」
「……バカね……」
もっと言いようはないのだろうかと思ったけれど、これも大阪人なんだろうか、ロマンチックからは微妙にズレていく。
まぁこの男にロマンチックを求める方が間違っているのだろうと志保は思い直した。
するとニヤニヤと笑う彼に、志保は眉を寄せて訊き返す。
「何よ?」
だが反対に彼は幸せそうに笑み崩れて答えた。
「関西人にバカは禁句やっちゅーのに、おまえの『バカね』はめっちゃ愛情感じてまうわーv」
そんな事を言われて、志保は真っ赤になって身を捩ってもがいた。
「照れんでもええやんーvv」
逆にきっちりと抱きしめられて、身動きが取れなくなってしまう。
「もうっ、バカッ、バカ、バカ、バカッ……////」
悔し紛れに言い募る志保の後頭部を大きなゴツい手が包んだ。
「あー、もう、そないな口は塞ぐで」
「ばか、ばっ………んん……ぅ…vv」
犬も食わない言い合いは、口づけによって溶けていく。
平次の口づけに酔いながらも、頭の隅で志保は思った。
(……何だか私も…この人と居ると、バカになってくみたい……気の所為かしら?;;)
そんな思いも、愛情たっぷりの口づけで何処かに飛んでいってしまった。
才女過ぎる志保には、寧ろその位の方が丁度良いのだけれど、本人には自覚するべくもなく。
勿論それは文字通りのバカではない。
そんな彼女に平次が益々惚れ込んでいくのは、火を見るよりも明らかである。
───────THE END
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