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平志小話集
スペシャルデー(ラスト)
言葉の魔法か、平次に「可愛え」と言われ続けていて、何時の間にか影響されているのかも知れない。
平次の前では可愛い女になれているのだろうかと思えてくる。

口づけられながら腰を動かされ、嬌声が吸い取られていく。
たっぷりと唾液が交換され、平次が腰の動きに集中すると、志保の肢体がのけ反った。
ぐちゅぐちゅと派手な音を立てて犯されて、志保の脳内が快楽だけに染まっていく。

ただただ快楽を貪るだけの獣と化した二人は、息を乱しながら淫らに腰を振り合った。

「あ、あ、ひぁぁ…っ!」
それでも愛情を込めて手を握り合う。

「平……次…っ、平次…ィ……」
「────志保っ…!」

グチュグチュ、パンパンと、淫猥な音と艶やかな息遣いだけが部屋に木霊し、とうとう志保の躰が痙攣を起こした。

昇り詰め、この世ならぬ悦楽の表情に平次も満足し、搾り取られるみたいな膣の収縮で、この日最後の精液を吐き出した。


ドロドロのベビードールを脱がせて、ブラを外してやると、平次は志保を抱きしめて髪を撫でた。
尻穴のバイブを抜いてやり、柔らかい躰を密着させて、ゆっくりと背中を撫でて髪に口づける。

女性の為のケアだけれど、それも愛情があればこそ。
「志保……おおきにな…」
志保はしっかりと平次に抱きついた。

どうしよう、この男が堪らなく好きだ……
平次と付き合う以前、叶わぬ恋をしていた時も、自分がここまで人を愛せるとは思わなかった。

ぽろりと涙が零れるのを、志保は止められなかった。
思わず平次の胸に顔を埋めるのを、彼は驚いた様に問い掛けた。
「どないしたん?!」

初めて抱かれた訳ではないのに、どうして泣くのか。
どうしていいのやら狼狽える平次が何だか可笑しくて、志保は泣き笑いをして、そっと涙を拭った。

そうして自分から平次に口づけた。

「…………好き………」

クリスマスだから特別。
そう自分に言い訳をして、志保は平次に告げた。

すると平次は照れたみたいに笑った。
「オレもやで……志保が、めっちゃ好きやねんか」

辛い訳ではなく、何かしらの感動故の涙だったのだと解り、平次は志保を益々愛しく感じた。


二人はしっかりと抱きしめ合ったまま、もう一度口づけを交した。




───────THE END 

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