平志小話集
Lovable Fool(2)
和葉を振った形になっているので、自分からの連絡は殆どしなくなっていたのだが、今回どういう心境で電話を寄越したのかは、流石に読めない。
彼女の場合、感情による行動が大きく、それに何かしら理由を付けてくるというパターンが多いので、吹っ切れたのか未練があるのか微妙なのである。
少なからず女はメンド臭いと思ってしまっても、男ならばやむを得まい。
そうして彼は放っておく形になってしまった志保に目を向けた。
「スマン…」
謝られて志保は目を見開いた。
「どうして?大事な幼馴染みなんでしょう?」
「そらそうなんやけど、折角のおまえとの時間、敢えて削る程の用事ちゃうかってん」
暗に志保の方が大事と言葉に含まれていれば、彼女は苦笑するしかなかった。
「───いいわよ…私はこの先も貴方と居られるんだから」
「志保……////」
平次はそっと彼女を抱きしめた。
すると彼はおどけたみたいに言うのだ。
「オレを…誰にも渡さんでなー?」
志保はプッと小さく笑って顔を上げた。
「バカね……私、そんなお人好しじゃないわ」
欲しいものは欲しいと言って良いのだと、教えたのは平次だ。
志保は両手を彼の項に回して引き寄せるみたいにして口づける。
そのまま平次に抱えられて何度も啄ばまれて、口内に受け入れた。
「……ん……ふぅ……」
背中を撫でながら濃厚に口づけてくる平次に、縋るみたいに抱きついて、熱いキスを堪能する。
最後にチュッと音を立てて唇が離れた時には、思わず甘い吐息が漏れた。
そんな彼女の髪を撫でながら、見つめてくる平次の瞳はやさしくて、志保は瞳に想いを込めて彼を見つめた。
(……貴方が……欲しいの……)
平次は志保の前髪をさらりと指で梳いた。
「ホンマ……可愛えvv」
そう言って抱き上げた志保に口づけて、そのままベッドへと運んだ。
平次がお姫様抱っこのままベッドに腰を掛け、志保を太腿に乗せる体勢で口づけを与える。
服の上から躰をまさぐりながら、もう片方の手で髪を撫でて隠れていた耳を曝け出し、頬から耳へと移動する。
「……ぁ……」
ピチャ…と小さな音を立てて耳を銜えたり舌で弄られたりして、志保にゾクンと快感が伝った。
やはり普段は隠れている項に手を滑らせて、髪に指を差し込んだりしながら撫でていく、そんな愛撫は素直に気持ち好いと思える。
なのに耳への攻めと音が卑猥さを感じさせて、志保の躰が小さく震えた。
のけ反る首筋に唇を滑らせ、タイトなデザインのワンピースの前釦を外していく。
「んんっ……」
そしてまた唇を塞がれ、平次の手が開いたワンピースの中に忍び込んだ。
滑らかなボディーの感触を愉しんで、やさしく撫でていく。
ローウエストの切り替えなので、下半身も際どい部分がチラ見えしている。
そこへ指を差し入れれば、小さなパンティーの布地に触れた。
それをソフトタッチで弄ってから、手はまた上に戻っていき、ブラジャーの周りを指でなぞった。
「……服部…君……」
抱えられてゆっくりと快楽に馴染まされていく行為にうっとりと見つめた彼女は、平次のシャツの釦を外していった。
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