平志小話集
More Sweet(3)
拗ねた顔が可愛くて、じわじわと嬉しさがこみ上げた平次は、本当に嬉しそうに笑った。
「めっちゃ嬉しいわvvおおきにv」
そんな笑みがくすぐったくて黙ってしまう志保に「開けてええ?」と訊いてから大事そうに剥がしていった。
それは手作りだろう、ホイップを搾った時の様な形のチョコレート。
1つ口にすると、あまり甘くないビターなチョコに適度な甘さのリキュールが入っていた。
「美味い♪」
嬉しそうに食べる平次が何だか照れ臭くて、志保は彼が淹れてくれた紅茶を口にした。
「1コずつ酒の種類ちゃうん?めっちゃ手間掛けてくれたんや…」
感動でジーンとしている平次に、(どうしてこの人はこんなにストレートなのかしら?)なんて思って恥ずかしくなりながら、それでも手を掛けて良かったと思うのだ。
チョコなんて幾らでも貰っているだろう平次に対して、チョコで良いのかと悩みもした。
けれど彼はちゃんと志保の手間を掛けた心を汲み取ってくれるのが嬉しい。
「なぁ…志保、こっち…」
手招きされて腰を浮かすと、手を引っ張られて移動させられてしまう。
平次に後ろから抱えられ、開いた脚の間にスッポリと入る形になった。
「あー…幸せや、オレv」
そんな事を言われて志保は平次の手に自分のそれを重ねた。
すると平次に握り返され、戯れるみたいに手を撫でてくる。
心が熱くなった志保は、身を捩って平次の顔を下から見上げた。
腕に手を掛けられ、美女に至近距離で正面から見上げられるそんな仕草は、それだけで悩殺ものだ。
目を見開く平次に、志保は更なる爆弾を落とした。
「………好き……よ…////」
恥ずかしいのか真っ赤になって言われた言葉に、平次は口と鼻を手で覆って後ろに倒れた。
「ちょっ……服部君?!」
色黒の顔が真っ赤になっているのが判る。
「……反則やで……血ィ噴くか思た…////」
驚いて見ていた志保は、悪戯っぽい表情に変わって笑みを浮かべた。
そのまま彼女は平次に跨り、セーターの下に手を入れてシャツの上から平次の胸を摩っていき、熱く口づける。
それを受けて平次は志保の腰に手を回し、口内の攻めを取り返した。
「……ぅん……ん……」
指に乳首の形が判る様になり、下腹に当たる平次の股間が僅かに盛り上がったのを感じ、恥じらいながらもキスを受けていると、唇を舐められて離された。
そのまま彼女ごと起き上がった平次はお姫様抱っこをしてベッドまでの少しの距離を移動して、ゆっくりとそこに降ろすと、着ていたセーターを脱いで彼女に覆い被さった。
「めっちゃ好きや…」
そう告げてもう一度彼女に口づける。
志保の腕が平次の背中に回ると、彼の手が志保の躰を撫で始めた。
チャラリとアクセサリーベルトを外してベッドヘッドの棚に置く。
シンプルなニットワンピースなので、彼女のボディーラインが綺麗に出ている為、そのままで躰中を愛撫していった。
「はぁ……あん……」
ただ気持ち好い、そんな行為に志保の表情が溶けていって、そんな瞳で平次を見つめれば、彼は柔らかく微笑んだ。
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