平志小話集
スペシャルデー(2)
そんな風にも思ったけれど、彼がよく行為の中で
「オレだけに、やらしい志保を見せてやv」
なんて言っているのだ。
否定されるとは思えないけれど……
「あん……嫌……もっと……」
平次に囁かれてグチュグチュに突かれる想像をしながら、自らの手で志保は絶頂を迎えた。
シャワーの水圧を調整して刺激されない程度にしてから、躰を綺麗に洗い流す。
そうして浴室を出て、脱衣所の鏡で自分の姿を見た。
大きな形の良い乳房に、薄紅色の乳輪がバランス良く付いていて、しなやかなXラインのウエストに、張りのある丸みのある尻からスラッと伸びた脚。
美しい顔は湯上がりでピンク色に熱っている。
(…私…綺麗になった?あの人に愛されて?)
躰を拭いて着替えると、彼女はもう一度パソコンを開いた。
それから数日の時が移り、街はクリスマス一色になっていて、電光の飾りがあちこちで光っている。
平次はその日の昼過ぎまで、親友である新一と過ごした。
夕方から新一は、幼馴染みが両親を会わせる計画に付き合うとの事で、二人はちょっとしたプレゼントを贈り合い、昼食を一緒に食べてから別れた。
そうして平次の方は、一旦自分の部屋に帰って掃除すると、ラッピングされたプレゼントを入れた紙袋を持って、夕方阿笠邸に向かった。
「いらっしゃい」
出迎えた志保はソフトホワイトのボアのセーターに、同色のシンプルなフレアースカートを履いていて、ラベンダーのエプロンを着けていた。
「用意はどん位や?手伝おか?」
「もう大体終わりだからいいわ。座ってて」
そう言われて平次はダイニングで博士に挨拶をして、椅子に座った。
この日、世話になってる阿笠博士を独りぼっちにしたくないという志保の言葉で、ディナーを3人でとる事になった。
博士が少年探偵団達と一緒に飾ったというツリーが飾られていて、クリスマスの雰囲気を出していた。
「相変わらずチビ共、遊びに来るんや」
「随分大きくなってきとるよ…時々新一(コナン)と哀くんの思い出話をしながらも、相変わらず元気じゃよ」
「志保は顔出さへんの?」
「出さないわよ…」
最後の料理をテーブルに置いて、志保は少しだけ淋しそうな口調で答えた。
元に戻った事に後悔はない。
けれど歩美は年の差はあるものの、大事な友達だったから。
ともあれ子供達の面倒をみるのは、博士が老け込まない為にも良い事だ。
そうして志保もエプロンを外して席に着くと、平次がスパークリングワインを抜いた。
雑談をしながら食事をし、時々笑いながら和やかな時を過ごす。
志保と博士にプレゼントを渡して、代わりに博士は自分の発明品で新一と揃いだという、探偵に役立つグッズをくれた。
そうして夜、博士が研究の続きを少ししてから眠るという事で、平次は志保を連れ出して、自分の部屋にタクシーで向かった。
部屋に入ると平次は暖房を入れて、電灯を点ける代わりに幾つかのキャンドルに火を灯した。
綺麗な色のグラスが反射して、幻想的な雰囲気を出した。
「クリスマスイブやし…な」
照れ臭そうに微笑う平次は、志保を抱き寄せ、そっとキスをした。
「何飲む?ワインとかカクテルがええ?」
「それ系、貴方はそれ程好きじゃないでしょ?ビールでいいわよ。それとも買っちゃった?」
平次は小さく笑った。
「…いや、博士ん家で食事する事になってたからな。ビールなら冷蔵庫入ってるわ」
志保は頷いて、踵を返した。
「だったら先にバスルーム使わせて」
シャワーを浴びてバスルームから出てきた志保は、珍しく裾の長いガウンを着ていた。
入れ替わりで平次がシャワーを浴びている間、志保は風呂で脱いだ白い服を、今日の平次からのプレゼントである青いバックに入れた。
平次が風呂から上がると、志保がグラスに注いだビールを渡した。
風呂上がりの為、一気に飲み干す。
残りのビールをグラスに注いだ彼女は、少し頬を赤らめて言った。
「…私も、プレゼント用意してみたわ…受け取ってくれる?」
「勿論や」
とは言え、彼女は何かを持っている訳ではない。
何だろうと思ったら、志保はベッドに近付いてガウンを脱いだ。
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