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平志小話集
スペシャルデー
週末の午後、志保は近くのカフェで本を読んでいた。
今手掛けている研究の進行があまりはかばかしくない為、少し気分転換に表に出てきたのだ。

外は陽が射して冬なりに暖かく、薄手のコートで歩ける。
12月の街は、おおよそクリスマスムードになっていた。

そうして今は一人、物憂げな美女がカフェの窓際の席で本を読んでいるという、絵になるシーンが出来上がっていたのだ。


すると、不意に後ろの席からくすくすと話し声が聞こえてきた。
後ろはプランターで仕切りがあって顔は見えないが、女性二人の声だ。

「ちょっとアンタ、随分大胆な下着買ったよね、いつもあーゆーの着けてる訳?」
「だってぇ…あーゆー方が彼が悦ぶんだもんvv」
「あーそう…上手くいってる訳ね……でさ、………」


志保は溜め息をついた。

────バカバカしい……

以前の自分なら、きっとそう思った。
自分には関係ないとも思っただろう。

けれど、今は状況が変わってしまった。
志保は本をテーブルに置いて、珈琲を一口飲んだ。


(大胆な下着……ね、あの人も悦びそうだわね……)

気付いてみれば、自分のクローゼットの下着類も、以前よりは色柄が変わってきている。
ある程度、いつ求められても大丈夫な物を常に身に着けるようになった。

何せ突然の疾風の様な男なのだ。
イザという時、恥ずかしい思いをするのは嫌だから。

着けてて楽な物と彼氏に見せられる物は多少違うのだが、けれど気持ちがだらけないのは、逆に美を保つ為には良いらしい。


最近、隣の名探偵が、目を丸くして自分を見つめた。
何かと問えば、彼は照れた様に「別に」と言った。
後で何気なく彼の親友──自分の恋人であるが──に訊いてみたら、何だか前より綺麗になったと思ったのだそうだ。

あの朴念仁に(志保の主観である)そんな感想を貰えるとは思わなかったが、綺麗と言われて悪い気はしない。
志保は徐に珈琲を飲み干して、席を立った。



部屋に戻ってパソコンを開いて、資料整理でもしようと思ったのだが、何とはなしにインターネットショップを開いてみた。
数多ある下着関係のサイトの1つをクリックしてみる。

クッションページの18歳以上を更にクリックして入ってみたら、アイテム数が半端なくあった。
ふと、チャートのページがある事に気付いて、それを開けてみた。
質問に答えていくと、お勧めの下着に辿り着くという訳だ。
試しに志保はそれを辿ってみた。

自分の体型、彼のタイプ、等の質問が結構沢山ある。
そうして辿り着いた結果に、志保は真っ赤になった。

「ちょっ……コレ…凄過ぎじゃない?」
思わず声に出してしまって、志保は自分の口に手を当てた。

けれど、確かに平次が悦びそうではある。
参考までにその系の下着のアイテムもチェックしてみてから、ちょっと悩んで、彼女はサイトを閉じた。

そうして元々の予定だった資料整理を始めたのだが、どうにも頭の中がピンク色に染まってしまった様で、色々葛藤しながらも悶々とするハメになり、志保は赤面したまま席を立った。

パソコンを閉じて、バスルームに向かう。


シャワーを浴びて下半身に当てた時、志保はピクリと震えた。
「……ぁ////」

シャワーの刺激にも感じてしまい、さりとて流さない訳にもいかないという理由を持ってそのまま続けると、志保は堪らずに指を陰核に滑らした。

くりくりとやさしく弾いてやると、彼女の口から吐息が漏れる。
シャワーを止めて陰唇の中を少し擦ってやると、淫液が染み出てきた。
それをズラして陰核に塗り付け、滑り良くなったソコを存分に弄る。

「……あっ……ん……」

ふと、あのサイトの下着を身に着けた自分を想像してみた。

(……あんなのを着たら…あの人悦んでくれるのかしら…)
いやらしい女だと蔑まれたりしないだろうか?

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あきゅろす。
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