パラレル物
碧の時刻(2)
耳を舌で嬲りながら、胸をまさぐる。
そうして紅い乳首を弄ぶと、新一の躰がヒクヒクと反応した。
新一の上半身を撫で回しながら、平蔵はふんわりと開いた紅い唇に口づけて舌を中に挿し入れた。
ぴちゃぴちゃと音を立てて、熱い口内を堪能する。
こうなると、平蔵はもう、新一が男だという事が気にならなくなっていた。
曰く、武士は衆道を嗜む事が、当然の時代もあったのだ。
「…アンタ……名前は?」
「んっ……ふあっ……し…新一…っ…」
平蔵はフッと笑った。
「新一……堪らん声やな…もっと聴かせ」
平蔵は堅く反応している新一の男根に触って、敏感な所を梳き上げた。
「はぁんっ……あぁっ……」
男は男根の感じるツボが判る。
見る見る張り詰めていく肉棒を追い上げながら、新一の白い肌に幾つもの痣を散らしていった。
「…あっ…あっ…っあ……」
欲望を放ってヒクつく躰に、その乳白い精液が降り掛かった。
濡れない穴に、平蔵は自分の手にも掛かった精液を塗りたくった。
「ココに……挿れてええんやろ?」
新一は潤んだ瞳を向けて、小さく頷いた。
平蔵は新一の脚を大きく開いて、まずは指を1本挿れた。
「痛っ……」
多分言動程は馴れていないのだろう、眉を顰める新一に、更に精液を肛内に送り込み、ゆっくりとほぐしていく。
「…ヤ…っ…あ……変…な…感…じ……」
「……初めてなん?」
新一は喘いだ。
「……後ろ…は」
「ワシでええんか?」
既に平蔵のゴツい指を3本まで銜え込んで、蕩け始めた快楽に浸った新一は、頬を染めてコクンと頷いた。
平蔵は似ているから……恋焦がれたあの男に。
もう逢えないから、だからせめて、夢を見たい。
そんな想いが、新一の勃ち上がった肉棒から淫らな雫を垂らした。
それを見た平蔵が服を脱いで、充分に立派な男根を曝した。
新一の膝を持ち上げ、その鋒を彼の窄まりに押し付けた。
目を閉じて息を整える新一に、堅い肉棒を押し込んでいく。
「うぁっ……あぅっ!」
流れる汗が新一の前髪を貼り付かせ、艶を増した。
そのまま根元まで埋め込んでしまうと、そのキツい締め付けに、平蔵は唸った。
「くぅ…っ…めっちゃキツいわ……力抜きィ…」
「……んっ…あっ……」
新一が平蔵に縋り付くと、彼は徐々に動き始めた。
新一の精液と平蔵の淫汁の所為で濡れた中が、肉棒の動きに合わせて吸い付き、送り出しては締め付けた。
女の膣内の襞々とは違う、つるつるの粘膜。
けれど充分に快楽をもたらした。
「……新一ん中…気持ちええよ……」
「んっ……はぁあっ……」
段々と突き上げが激しくなり、肉のぶつかる音と、淫らなぐちゅっ、ぬちゅっという音が、室内に響いた。
「あっ、あっ…やあぁっ……」
突き犯しながら新一の肉棒も擦ってやると、やがて新一の躰がのけ反って、昇り詰めた。
放出と共に強い収縮を受けて、平蔵の男根からも、たっぷりと肛内に放たれた。
「はぁ……ァ………平………」
新一は痙攣しながら、声にならない何かを言った。
一筋の涙を流したその顔は、凄絶に艶っぽく、それは平蔵の目に焼き付いた。
それからの二人は、平蔵が東京に出張の度に逢瀬を重ね、抱き合った。
妻子のある平蔵とは当然、割り切った付き合いになる。
それでも新一は構わなかった。
平蔵本人も好きだったけれど、何より、満たされない恋情を、彼で一時埋めていたのだ。
平蔵が出張の時に使っているワンルームの部屋に、新一は遊びに来た。
「今日は息子と待ち合わせしてるんでな、2時間位しかあらへんが」
抱き合うには充分な時間だ。
新一は元々の出逢いを思い出して笑った。
「…理解のある親父になったんだ?」
「おまえとこないな事になってはな。アイツの場合はマジ惚れらしいが」
新一は平蔵を見つめた。
「アンタは…奥さんを愛してるんだろう?」
「そら当然や」
「オレとこんな事してていいのか?」
「…お互いに割り切りやろ?」
あっさりとそう言う平蔵に、新一は苦笑した。
「……確かに」
平蔵は新一の腕を捕えて、ベッドに押し倒した。
熱いキスから始まって、互いの躰を貪る。
「んっ…あっ……」
相変わらず新一の反応は艶っぽい。
しかもその、快楽で掠れたハニーボイスは最高に煽られる。
「…ふっ……これやから、おまえを手放すのは惜しいんや……」
下半身の衣服を剥ぎ取って、新一の男根を起こしていく。
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