パラレル物 情熱の果実(ラスト) そこで漸く肉棒を抜けば、ヒクヒクする窄まりから雄汁が零れ出るのもいつもの事で、太腿に汁が伝う感触に、カエデは目を閉じて息を吐く。 ───単にアキラの肛内に挿れてないだけで、充分カエデは攻めていると思うのだ。 それでもやっぱり、男だしインキュバスだし、挿れる事に拘るかもなぁと、アキラは眉尻を下げた。 自分が挿入れられるのは、どうしても違う気がするし、だからと言って他の誰かとされるのはもっと嫌だし、男なのに挿れられるカエデを思えば、自分も覚悟しなくちゃならないだろうか…… でもなぁ、挿れさせる代わりにいっぱい感じさせてあげるじゃダメかなぁ? 狡いかも知れねーけど、オレはやっぱりカエデに挿入れてー…… そんな事を悶々と考えていたら、カエデが顔を上げた。 「何悩んでんだ」 「へ?……いやー、別に……」 流石に本人には言えないと思うと、唐突に彼に口づけられた。 「つまんねーコト悩んでる暇あったら、もっとシよーぜ」 そう言い放ったカエデに首筋だの鎖骨辺りにキスされていく。 アキラはつい、プハッと笑ってしまった。 「おっまえ、男前だなー」 「たりめーだ」 若干酔った目なので据わっている。 笑っているアキラにちょっとムッとしたら、体勢を反対にされてしまった。 「……カエデ……好きだ、すげー好き……」 そう言って改めてアキラから口づけて、互いに舌を絡ませ合った。 アキラ主導ではあるが、お互いに応え合って愛撫し合う。 挿入れているのはアキラだけれど、女とするのとは躰は勿論、気持ちも違うと思うのだ。 「……カエデ……カエデ……」 「んっ……あv」 アキラに突き犯されて、躰が揺れて、開いた脚が宙に踊る。 グチュグチュの結合部は淫らに汁を弾いて、二人の肌を汚した。 ズブズブ、ヌチュヌチュという音と、パンパン肌のぶつかる音と、カエデの艶声とアキラの喘ぎ声が部屋に響いている。 ビクビク震える躰で、アキラに腕を回してカエデは言った。 「────好き、だ……」 はぁはぁと荒い息が交差する。 「……アンタ、も……される……のも……」 「カエデ……!!」 感動で盛り上がったアキラに激しく犯されて、カエデのカラダが身も世もなく快楽でのたうった。 「ひっ、あっ……ああぁっ……!」 ドクドクッと肛内にアキラの雄汁が撃ち付けられて満たされて、カエデのそれがパタパタと綺麗な顔を乳白く汚す様がエロい。 精液にまみれて痙攣するカエデを、荒い息を整えながらも目に焼き付けて、彼の首筋にもお揃いのキスマークを残した。 二人は今、燃え上がる時期の蜜月だ。 その感情のままに、頻繁に睦み合っている。 今後恋愛の変化を二人で学んでいく事になるのであろうが、熱々の今は他の何も見えない。 いずれ恋が愛に昇華しても、共に在るのだと二人は思う。 とは言うものの、それがどういう事かを実感するのは、まだ先の話であろう。 今、彼等は情熱の赴くままに、互いを分かち合っていた。 ───────THE END [*前へ] [戻る] |