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平新小話集
名残り桜(ラスト)
「おまえの白いケツ…ドロドロでビショビショやで…判るか?」
掠れた艶声で殊更にいやらしく表現されて、新一の躰が反応して我慢汁を床に垂らした。

「んぁ……あ…っ……ひっ……」
快楽の涙を滲ませて喘ぐ新一に覆い被さり、手を握って口づけると、彼の舌が積極的に絡んできた。
それを舌で犯してやりながら、ゆるゆると腰も揺らしてやる。

「……平……次……」
唾液が顎を伝い、トロンとした濡れた瞳で求められ、平次の躰にゾクゾクとした快感が走る。
応えるみたいに手を握り合いながら、平次はラストスパートを掛けた。

「ふあっ……ああぁっ……イっ……はぁ…っ!!」

結合部からの卑猥な音と、肌のぶつかり合う軽快な音と。
あられもなく開かされた脚の間を生々しい肉矢が淫液を伴って、充血した肉襞を分け入って出入りする淫らな視覚的インパクトと。

蕩けた瞳に紅みの増した唇から見える蠢く舌と、掠れて艶やかな嬌声が、新一の快楽の程を教えてくれる。
そして野性の雄の瞳で汗を散らしながらそんな彼を犯していく平次もまた、悦楽の表情をしている。

「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ…」

そんな互いを見る事で、益々欲情は昂まって、体内の奥深くを突かれて新一の躰がのけ反った。

「あっ、はっ……あぁ─────ぁ…!!!」

握り合う手に力が籠もり、迸る熱い精液を深くに受け留めた新一が、ガクガクと痙攣を起こして自らも欲情を放った。

上げられていた片脚を下ろされ、バックでゆるゆると腰を打ち付けられて全てのミルクを飲ませると、ぬるりと肉棒が出ていった。
尻穴からトロリと乳白のそれが零れ落ちて新一の内腿を辿り、彼はふるりと躰を震わせた。

「はー……はー……」
荒い息を整える新一を抱きしめて、平次は彼の瞼にキスをした。

「……ん……平…次…v」
薄く目を開けて抱きつく彼に、平次は労りの口づけをして、そっと訊いた。

「シャワー浴びるか?」
「───んー……」

眠そうな新一を見て、これはベッドかと考えていると、新一は小さく応えた。
「……任せ……る……」

言った側から眠りに入ってしまう新一に苦笑して、平次は彼を抱きかかえると、ベッドに寝かせた。
お湯にタオルを浸して、確かめるみたいに躰中を綺麗に拭いてやって、掛布団を掛けてやる。
それからお湯を捨てがてらシャワーを浴びてしまうと、平次は愛しい人の側へと戻った。

ベッドに腰掛けて、彼の寝顔を見ながら前髪をサラリと梳いた。

「大丈夫や…オレはおまえだけは裏切らへん…テッパンやで?」

そう呟くと、彼の隣へと滑り込んだ。
すると、新一が寝返りを打つみたいにしてすり寄ってきた。

「───……オレも、だ……」

返された事に平次が驚くと、新一はそっと平次に手を回した。
「起きとったん?」

「……浅かったんだろ…眠りが。温もりが足んなかったから」
半覚醒だからだろうか、そんな素直な台詞にまたも驚いた平次は、次の瞬間幸せそうに笑って新一をぎゅーっと抱きしめた。
「新一vv」

「バーロ…ちっと緩めろ……眠いんだ…」
そう言われて力を緩めてやると、新一は目を閉じて眠る体勢になった。

「………一人で眠れなくなったら…どーしてくれるんだ……ばぁろぉ……」

文句を言いながらも眠りに入っていく新一に、平次は愛しそうに彼の頭を撫でた。

「ええやんv一生おまえの側に居ったるでv」
デレッとした顔で答えた言葉は、もう新一の耳には入っていない。

現実的には一緒に眠れない日だってあるのだけれど、必ず側に帰ってくるから。

(せやからおまえも……)
何があっても無事で自分の元に戻ってくるように。

そう願いながら、新一の温もりで平次も何時の間にか眠りについていた。



そうして庭の桜の花が散り終わり、葉桜に変わった。

安らいで眠る二人の寝室に、最後の名残りを残して────




───────THE END

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あきゅろす。
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