セイントブレイド
１
のんびりと歩き続けて数時間、中々楽しげな街を発見したため、僕たちはそこに入ってみた。
「おお〜、ビリヤード店にダーツ店、おっきいゲームセンターまで！ 楽しそうだね、エクスカリバー！」
「アスカ、テンションの上がり方が五歳の頃と大差ないぞ」
「いーじゃん別にー。それよりさ、新加入してあげたお仲間におもてなしとかはないの？」
「僕が１５オズしか持ってないの知ってるだろ」
「知ってるよー。って、じゃあ何で『街で遊ぼう』なんて言ったのよ？」
「ふっ、そんなの決まってるだろアスカ。他の誰でもない、お前との時間を楽しみたくて、財布の中身を考える前につい口から漏れてしまったんだよ」
「……」
「……」
「お金は貸さないよ」
彼女に、姑息な手は通用しない。
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