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俺はそれより笑顔を望む(佐助/現代)
青い空、程よい日差し。最高。やはりサボタージュは屋上に限る。
今はちょうど数学の時間かな。
幼なじみの旦那といるのは日常を充実させるが、たまには俺様もひとりになりたいこともある。
悠々と開放感が感じられるひとりの時間を寝ころびながら楽しむ。


ばん−


耳に響いた扉を開ける音。おいおい、嘘だろ…せっかくの安らぎが。
今まで空を見上げていた目を招かれざる来客に向ける。そこには名字。後ろ姿でもすぐわかる。俺様の前の席のあの子だ。
気づかれないように後ろから名字に近づく。俺様のささやかな時間を邪魔してくれたお返しだ。
抜き足差し足。後ろから驚かしたら、この子はどんな顔をするだろうか。あ、俺様にやけてる。



うわぁ〜ん



自分の耳を疑った。まさか、あの名字が?クラスでもみんなの輪の中心にいつも存在しているような名字が泣いている。
名字まであとは手を伸ばせば届く距離で俺様は動けなくなった。
どうしたらいい。頭の中でぐるぐると思考が巡る。こんな展開思ってもみなかった。



ま…さっ…むねぇ



驚きで目をこれでもかという程見開く。

その瞬間、俺様の気配にやっと気づいた名字が思いっきり体を180度回転させた。もちろん、俺様以上に驚いた顔で。

自然と手が伸び、気がつくと華奢な彼女の体は俺様の腕の中に。

こんな綺麗な泣き顔を始めてみた。




20100724 俺はそれより笑顔を望む

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あきゅろす。
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