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なんかみんなで朝からアレェーみたいな。(中)
時を越えて、場所を越えて。


俺は、一体何のためにここに来たのか。





―――…
――――……




「ふぉお…うめえ……!!」

目の前にはベーコンエッグにサラダ、コーンスープにミルクティーというなんとも上品な朝食。

でもな、俺は日本人。
ちゃんと和食も食べなくちゃいけないんだぜ!


ま、今はどうでもいいけどな。




「美味しいっ!って言ってもらって何よりだよ!!やっぱり可愛い子がいるといいねぇー!すごく心が晴れ渡るようだよ!」

「それはただ単にお前の煩悩でだろ!」




きっしー渾身の一撃。
ただ、その話の中心にいる所在は食べるのに夢中で知らん顔。

めちゃくちゃに他人の家なのに、遠慮もせずに豪快に食べる姿は誰かを彷彿とさせる…と、軋識は笑った。




「アハハ…弟…ウフフ…」

「キモい」

「んで…だ。そろそろ本題に入ろうか、所在君」

「双識。真面目な顔を取り繕ったつもりみたいっちゃが…にやついてるぞ」

「だあってェ!!」

「俺、かわいすぎるんだもん!!」

「自分で言うな所在」

「アハー。俺さ、きっしーみたいに背が高くてかっこよくて背が高いヤツ見ると殺意沸くんだよねー

「俺への扱いひどくね?」




ひとしきりヘタレいじめを楽しんだ後、双識はふふっと困ったように笑って見せた。


「いやーそれなら大変だねー所在君。うちにはアスなんか鼻で笑い飛ばせるような美形兄弟+かわいい妹とかがいっぱい住んでるからねー!」

「は?そうなの?てか…妹?」



俺が知ってるのは、人識、曲識、舞織、機織、零識…+双識たちくらいなんだけど。と所在は首を傾げた。
その上、確か機織、零識は死んでしまっていると読んでいた。


(まあ…それでも確か総勢二十人くらいいたんだっけ)





冷めてきた目玉焼きを、所在は一気に食べ進めた。


「ん?そういえばあいつらいないっちゃねー?いつもは騒がしい轂識と閖織の気配がない…」

(轂識…閖織?)

「ああ…轂識は怜識と一緒に生徒会活動で学校泊まり込み、んで、それを面白がった閖織ちゃんは、人識と部活のメンバーとか言ってたかな?まあとにかくその人達を連れ出して着いてったよ」

「…人識…災難っちゃな…」

「ははっ!まあ、閖織ちゃんも轂織くんも怜識くんもなにげに人識もちゃんと学校生活を楽しんでる。私は良いことだと思うよ」



双識はまるで、自分の子供のことについて語っているかのように優しく目を細めた。


「大切…なんだな」

「ん?どうした?所在」

「あ、いや…俺、家族いなかったからさ。家族いたら…こんな感じなのかな…とか思って」




軋識と双識は、そう呟いた所在を見て、目を見開く。
所在が、あまりにも寂しそうな目をしたから。

なんだか消えてしまいそうで。
「所在くん…」と声をかけようとした瞬間。



バァアアアン!!


と爆音が響き、ドアが開く音がした。
突然の出来事に軋識が、ガタッと音をさせて席をたった。

驚いたのは所在も同様で、軋識と何事かと目をあわせた。



「うふふっ…大丈夫。どうやら家賊たちが…帰ってきたみたいだ」




確かに、リビングと廊下を仕切るドアの向こうからはガヤガヤと十人十色な声が聞こえた。



「どけ怜識。何でお前が俺の前にいる」

「うるさいよバカ。僕はバカの吐いた二酸化炭素で満たされた空気を吸いながら歩くのが嫌なだけだよ」

「俺だって嫌だ。怜識菌が移る」

「僕を病原体みたいに言わないでくれる?
この僕をさ」

「アッハッハ!うるさいのは君達だよ?それよりも速く私を通して同人誌を読ませてくれないかな。今、私は萌えが足りなさすぎて死にそうだと言うのに!」

「何が萌え足りないだ閖織。あんだけ俺を話の種にアイツらと「俊希にはメイド服が似合うんじゃないかな?」とか言ってさんざん妄想しまくったくせにまだ足りねえとか言うんじゃねえよ!俺実際ホントこの二日間泣きたかった!ヤッホーマイハウス!



「怜識…人識が壊れたぞ」

「無茶もないよ。閖織と本当に四六時中一緒にいたんだからね。すごい暇潰しの道具にされてたみたいだし」



ガチャッ!!



ドアが開き、4人の人間が現れた。


「うわ……」



一人は、きっちりと制服を着こなしているように見えるが、少しばかり緩められたネクタイ、真っ黒のさらっさらヘア、一人は肩甲骨あたりまで伸びた黒髪を無造作にひとつに結んでいる。
美形も美形。しかも…



「同じ…顔?」



同じ色素の黒い目に、顔の造形がとても似ている美少年二人。


さらにその二人の後ろには、赤…というよりは桃色に近いロングヘアで、目の色は…エメラルドに近い色素の薄い色。
頭には、小さな王冠のような物をかぶり制服はだいぶ改造されているのか、白と灰色と黒を基調としたギンガムチェックのリボンに黒のブレザー、赤と黒のチェックのスカート。厚底の編み上げブーツを着用した女の子。

その不敵な笑みに合う、クール系の美少女。雰囲気はとても中性的で、かっこいい。


そしてその横には…その瞳に映える漆黒の髪。
小柄な体型に、禍々しい刺青。深い深い深紅の瞳をもった、まさしく零崎「人識ィイイイイ!!!」



「「「は?」」」



ズサァアアアアア!!



瞬間的に席を立ち、何を思ったか、所在はものすごいボディアタック…じゃない、全身を使って人識を抱き締めた…というか飛び付いた。


「ギャアアアアアア!!!」

人識は叫び声を挙げ、他の人達はあまりにも急な出来事に目が点となっている。



「なっ…何っ!!」

人識は、とにかく所在をひっぺがそうとするが、所在の体重+意外に強い力で抱き締められているためなかなかはがすことができないのだ。
一方所在の方は、どこかの芸能人にあったかのように顔をキラキラさせていた。



「お前!零崎人識だろ!!やっべ、マジ!?本物!?きっしーに続く第二ヘタレ予備軍!?」

「おい誰だこのやたら失礼な奴!」


「俺は夏王 所在!ぴっかぴかの戯言生さ!」

「小学一年生か!」

「イエース!アーユーゼロザキィ、ヒトシキィ?」

「イエース!!アイアム!!じゃねぇえええ!!」




ちょ!誰か助けて!と明らかに目で訴えかけているのを、とある一人以外はみんな無視をした。

残念。人識。耐えろ。



「ねえ…双識。誰なの?あの子」

「とうとう誘拐してきたのか?双識」

「なっ!失礼な!」

「失礼?僕も誘拐かと思ったよ。ていうか気を付けなよ双識兄さん。双識兄さんは、はっきり言って殺人犯として捕まるより明らかに幼児誘拐罪で捕まる可能性のほうが高いんだから。ま、今僕の隣にある二酸化炭素出すしか能のないやつに言われたくはないだろうけどね」

「…どういう意味だ?怜識」

「そのまんまの意味だよこの脳内ストロー野郎」

「黙れ死ね腹黒サディスト魔王。星へ帰れ

「ほっ…」



近よんじゃねえ近寄った瞬間どうなるかわかってんだろーな的な絶対零度のオーラを出してそこらへんのナイフやらフォークやらを握り相手に構える。



そのオーラに双識は軽く怯えながら目を二人から反らした。
軋識は、極力関わりたくないのか、椅子に座り優雅に紅茶を飲んでいる。


(ちっくしょヘタレのくせに…!)



とかなんとか双識が軽く思ったのは内緒だ。






「うふ…うふふ…」

「ん?どうしたっちゃ?閖織」




閖織と呼ばれた少女は、軋識が座っている横で、ニヨニヨとふぬけた顔をしている。



閖織の後ろにはパッションピンクのオーラがこれでもかと漂っていた。

そういえば、所在が人識に抱きついた辺りから様子がおかしかったような。



異変に気付き、殺しあいをしていた双子もいったん中断し閖織をみる。





「えへへ…ショタ…制服…


「「「ヤバい…これは…!!」」」



瞬間。死神もびっくりなほどの見事な瞬歩で抱きつかれている人識、うっはー!と抱き締めている所在の元へと向かう。
超はええ。



「人識!!所在!!逃げるっちゃ!!!」


「は?大将、いきなりなn「萌えええええええええ!!!」


気づいた時にはもう遅い。
人識と所在は、ものすごい勢いで少女、閖織にドッフゥエウ!!と抱きつかれる。
二人+変態一人は勢い余って、床に転げ落ちた。





「かんっわいいんだよ可愛すぎるんだよ萌える!萌え死ぬ!今なら三人で飛び降り自殺しても悔いはないよ!」


「「いやっ!!いやだぁあああああああああ!!!」」





閖織の激しいスキンシップに恐れをなした双子+きっしーと双識は、どうすることもできず、そこに佇んでいた。


((というか今、入ってったら死ぬ!))









.






うん。オリキャラの紹介は後程。

とりあえず今回は後に主要となっていくオリキャラ達+人識+夢主のボケを書きたかっただけです。(笑)



次…シリアスになるか…な?わかんないー…なー。(笑)

とりあえず閖織さんの奇行を治めねえと!!


あ、ちなみに読み方は「ゆりおり」です。

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