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お庭でカオス





「僕が探してくるから。5分でいい…待ってて」

サムはミカエラにオプティマス達を見張っておくようお願いし、家に帰っていった。
それを見送った千譁達だったのだが。

「わぉ、入っちゃうのか!?」

待っててと言われたにも関わらずオートボットは庭に入っていく。
千譁もミカエラも慌てて止めたのだが虚しくもサムが家から出てきた。

「待っててって言ったじゃん!あ、そこ気をつけてって…ああ!!」

オプティマスが庭の噴水を踏ん付けて壊してしまった。

『むぅ…すまん』

「あぁ!もう庭がめちゃくちゃだ!頼むからおとなしく待っててよ!」

荒れた庭に怒り家に入っていったサム。
おとなしく、と言われたばかりにも関わらず動き回るオートボット達。

『オートボット、偵察せよ」

「いや、偵察せよ、じゃないでしょ」

バンブルビーは普通に家の中覗いてるし、オプティマスは何故かミカエラをサムの部屋に送り込んでる。

『我々は急いでいるのだ』

急ぎ過ぎて空回りしていると思うのは私だけか?、と千譁が頭を痛めている中オートボット達がトランスフォームしていく。

庭の中で

「あっちゃー…」

「うちの庭はパーキングエリアじゃないんだからね!?」

千譁はますます頭が痛くなった。


−−−−−−−◆


『サム!メガネはまだか?』

「ああ!もう何なんだよ!頼むから5分だけ静かに隠れて待っててよ!」

もはや切実で悲痛な叫びだな、とぼんやり考えている千譁は遠い目をしている。
手にはチェーンソーを待っていたが。
その間にもサムは何やら言っていたのだがふ、とオプティマス達が動いた。

『…仕方ない。オートボット、隠れるんだ』

「ほんと5分でいいから!」

どうやらサムが勝ったらしい。
オートボットが庭から引いていく。

『急げ、行け!静かにできんのか。黙ってろと言っただろう!』

オプティマスが一番煩いよなーと思ったが、あえて言わないでおこう。

その時、ラチェットが電線に引っ掛かって倒れた。
地面が激しく揺れ、住宅街の電気が消えた。

「え、ちょ、軍医ドジ?」

なんだこの人、さっきも空気ぶち壊して…

「スクラップにすんぞ…」

『千譁帰ってこい!』

多大なストレスにより、正常な思考回路が壊れた千譁は恐ろしい方向で唸った。

『うぁ!痺れた!…お前もやってみるか?』

『ああ、面白そうだな』

「面白そうじゃない!」

何なんだこの人ら。

千譁が真剣にぷっつんといきそうになった時、ガチャ、と後ろで音がした。
なんだと振り返ればキャノンを構えたエアル。

目が本気でした。

『消す』

『いやダメダメ!構えるな!構えるな!!撃つなよ!?』

「よし、やるかエアル」

『"君達""やめろ!""ごめんなさい"』

『てか千譁、チェーンソーなんてどこから出した!?』

ジャズ、バンブルビーが一緒に慌ててエアルと千譁を止める。
こんな所で撃たれたら騒ぎ所じゃ済まない。

何とか千譁達を宥めすかしたのは良かったのだが電気が消えてしまっては探せない。

「明かりが欲しいかな『ラチェット、照らせ』まて、この状況で明るかったらおかしいから」

ラチェットがサムの部屋を照らしていた。
なんでこうなる。
その時、

「サム!なんでカギを閉めてるんだ!家の中では閉めない約束だろう」

サムの部屋に親がきたようだ。

「父さん達だ!いいから早く明かりを消せって!!」

明かりが消えるとサムのお父さんとお母さんが部屋に入っていくのが見えた。
何だか騒がしい。
どうやら口論になっているみたいだ。

『親ってのは…おっと』

危うくサムのお父さんとご対面しそうになったオプティマスが慌てて避ける。
そのせいでまた家が揺れた。

「余震だ!気をつけろ!」

サムのお父さんはどうやら地震だと思っているらしい。

「全く…外はどうなってるんだ?」

『?!オートボット!隠れろ!!』

サムのお父さんが窓から外を覗く。

「見てみろ、庭が目茶苦茶だ」

そりゃ誰かさん達が目茶苦茶にしましたから、悪気なく。

オートボット達は間一髪で隠れることができた。

「ルー、これって隠れてるって言うの?」

『言えるんじゃないのか?見えなければ』

「家の中からだったらね」

外からは丸見えだった。
てかジャズ、そんな所に隠れれるんだ。

『親ってのはイライラするな。始末していいか?』

『アイアンハイド!人間を傷つけてはいけない』

『わかってる…ただそうゆう選択肢もあるって言っただけだ』

できれば選択肢にもいれないで欲しい。物騒だ。
それに、当たり前のように子供の心配をしてるのが普通だと思うから…。
その時、ずっと遠くを見ていたエアルが口を開いた。

『…車が複数こちらに向かっている』

「え、それはヤバいのでは…。
オプティマス!こっちに車が向かってるって!」

『何だと?』

一般人(まぁ自分もそうなのだが)に見つかるのはよろしくないと千譁も思ったらしく、オプティマス達が隠れるのを手伝うことにして、千譁はサムの家から離れた。



◇◆◇◆◇◆







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あきゅろす。
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