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結構可愛い黄色いカマロ





千譁が物陰からひょこっと出て来ると、エアルが微笑みかけてきた。エアルはバイザーにフェイスマスクと表情が見えはしないが、エアルのエメラルドグリーンのカメラアイがひときわ優しい輝きになるからわかるのだ。
千譁が笑顔をエアルに返した時、後ろからサムとミカエラが恐る恐るやってきた。

…サムがパンツなのは気になるがとりあえず二人共無事だった事に安心する。

いつの間にか増えていたエアルに驚きの表情を浮かべながらも黄色のロボットに近寄る。
ミカエラが千譁の腕を掴んだ。

「何なの一体…」

「ロボットだ…しかもただのロボットじゃない。…超最先端のロボットだ。…多分日本製」

「や、違うと思うから」

なんでもかんでも日本にするな。
アメリカで生まれ育ったとはいえ祖父母を日本に持つ者として否定しておく。
何度も遊びに行っているが一度だってこんなでかいロボットは見たことがない。

サムがゆっくり黄色いロボットに近づく。

「ねぇ!ちょっと大丈夫なの?」

「多分…」

「でもさっきドロイド同士のデスマッチ見たばかりじゃない!」

「僕の眼鏡が目的なんだ…」

そんな会話をしている二人の横で千譁は困っていた。
エアルの所に行きたいのだが先程からずっとミカエラに腕を掴まれたままなのだ。
そっとため息をついてエアルを見上げた時、黄色のロボットからラジオが聞こえた。

ザザ…と流れるラジオに三人は顔を見合わせた。

「…ラジオでしゃべるの?」

『"素晴らしい""いやーお見事"』

拍手するロボット。リアクションは豊かなのかもしれない。ちょっと可愛いな、とか思ってしまう。
するとサムが遠慮がちにロボットに聞いた。

「昨日のは何だったんだ?」

昨日の、あの空に向けて光を放っていた事だろうか。

『"宇宙艦隊から""広大なる宇宙へ""天使きたり、天からの訪問者、ハレルヤ!"』

「天からの訪問者?あなたエイリアンなの?」

驚いたように尋ねるミカエラに黄色いロボットが頷く。

「じゃあ彼も?」

そう言ってサムが指差したのは白い金属生命体。
でも地球で生まれたエアルを黄色いロボットが知っているとは思えない。当然、黄色のロボットは知らない、とでも言っているかのように首を振る。

『"さぁ他に知りたいことは?"』


そしてロボットは黄色いカマロに戻るとドア開けた。
それを見たサムは乗ろうとして。

「乗るの?」

尋ねてきたミカエラにサムは振り返って手を差し出した。

「あの時乗っとけばよかったって50年後に公開したくないだろう?」

そして、ミカエラはその手を掴みサムとカマロに乗った。
もちろん始終ミカエラに腕を捕まれたままの千譁も。
二人が千譁とエアルが知り合いだなんて知るわけがないのでそのまま乗るしかなかったのだから。



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あきゅろす。
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