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ある日の午後






『千譁、遊びたいぞ!』

『遊ぼうぜ〜』

「待て後で遊んでうっぷ…やるから…降ろせ何か逆流する…私今仕事中…吐く、出るっ!」

千譁も新しい職場…NEST部隊での生活にも馴れてきた。
オプティマスに紹介された新たなオートボット達に最初こそ警戒されていたが今ではとてもフレンドリーで親切。
暇を見つけては千譁の所にやってくる。
今も仕事の途中で双子が暇だ遊べやとやって来ている。

「うぐっ…出るっ口から内臓的なものが出るっ…!誰かっ…誰かヘルプミー!!」

『段々顔色が悪くなってるな、兄弟』

『真っ青だな兄弟』

「気づいてんなら降ろせ!離せ!こんちくしょう!!」

千譁は吐き気を必死に耐える。
後で絶対解体してやる、と決意しながら。
勿論周りで見ている奴らもだ。
千譁が限界を感じ始めた時千譁の仕事場であるガレージにオプティマスとアイアンハイドがやってきた。

『千譁?』

「ナ、ナイスタイミング!助けてくれ!…おえっ」

こちらに気づいてくれたオプティマスに助けを求める。
すると何となく状況を察してくれた。

『大丈夫か?』

「お、おー…何とか」

ツインズから掬い上げられオプティマスの手の上に横になる。
表面温度を下げてくれたのか鉄の手はヒンヤリとしていた。

「気持ちいー…」

思わずぺったりと張り付いた。
吐き気もすっきりしてきたせいか顔もにやけてくる。

「最高…」

『それは良かった』

これは仕事を放って昼寝に突入したくなる。
ツインズがアイアンハイドに怒られているのを横目に見ながら千譁はサボる算段をしていたがここは素直にオプティマスに頼んでみる事にした。

「オプティマース」

『なんだい千譁?』

「少しだけさ、このまま昼寝させて?」

『…仕方ないな』

少しだけだぞ、とオプティマスは肩を竦め千譁を乗せたまま歩き出した。
勿論千譁のお気に入りの場所まで連れていくために。



−−−−−−◆



基地の端にある草地の場所。
海の音と潮の香がする風が吹き抜けるこの場所が千譁はお気に入りだった。

「いつ来てもいいね」

心が洗われる気分だ、と千譁は深呼吸する。
NEST部隊に入って、この基地に来て千譁はここが一番安らげる場所になっていた。

「おやすみ、オプティマス」

『おやすみ』

再度オプティマスの手の上に横になった千譁は満足げに息をはくと意識を眠りに深く沈めた。

優しく頭を撫でる指から、胸を締め付ける何かから逃れる様に。



◇◆◇◆◇◆







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