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NRC女監督生の白昼夢
早朝サプライズ!※男装監督生



――夢を、見ていた気がする。

悲しい思いをしたような気がするのだけれど、何も思い出せなかった。

『んー……』

悶々としながら布団を抱き込んで、枕の隣に視線をやる。
すぴぃと寝息をたてるグリムが気持ち良さそうに眠っていた。

カーテンの外はもう明るい。

時計を確認すると、起きるにはまだ少し早い時間だった。

『……』

もう少し寝ようと股に挟んだ布団を抱え直す。
その時ふと思いついて、布団の先を自分の足に巻きつけてみる。

……これはもしや。

人魚姿のジェイド先輩に巻きつかれたら、こういう感じなのでは。

――ギィっ。

ドアの開く音がした気がして、そちらを向いた。

「おや、もう起きていましたか」

制服姿のジェイドと目が合った。

『せっ!?』

「それは……何をしていらっしゃるんですか?たいへん興味があります」

私の足にまとわりついた布団を見てニッコリと笑う。

『ち、ちょっと抱き枕にしてただけで……』

そう言い張ってみたが、バレているに違いない。

「布団を自身に巻きつけて?いったい何を妄想していたんでしょうね」

怪しく笑う先輩が近付いてくる。

慌てて布団を押しやり、体を起こした。

『何って……』

目の前に来た先輩は腰を折り、私の耳元へ手を添えて囁く。

「僕に絞められたいんですか?」

なんという破壊力。

『〜〜っっ!!!』

思わず両手で顔を覆った。

『丸めた布団が先輩の下半身みたいでつい……』

「その表現でいいんですか?」

聞かれて言い方が卑猥だったことに気付く。

『っ!人魚姿の下半身ですからね!?』

「ふふ、否定なさらなくても」

絶対わかってて言ってるよこの人。

『否定というか……あー……というか先輩、何でここに?』

我に返って現状を把握した。

「迎えに来ました」

『はい?』

迎えに来るにしても早すぎでは?
私まだ起きる時間じゃないんですが。

『何の為にこんな早く』

「ユウさんの寝顔を拝見しようかと思いまして」

屈託のない笑顔が眩しい。

『見れなくて残念でしたね』

嫌味を飛ばすがどこ吹く風だった。

「残念どころか大収穫ですよ。良いものが見られました」

ほくほく笑顔の先輩を見ながら、はあと溜め息を吐く。

『とりあえず部屋から出て、待っててくれませんか?支度するので』

「ここで待っていても?」

着替えを見る気か。

『何言ってるんですか』

「そんな変態を見るような目で見つめないでください。僕たち恋人同士でしょう?」

それとこれとは話が違う。

『私の恋人なら、部屋から出て待っていてくれますよね?』

ニッコリと、今度は私が圧をかけた笑顔で言い放った。

「僕の恋人はつれませんねぇ。大人しく待っていますよ」




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